ゴールデングラブ賞の選考基準を解説・なぜ批判が起こるのか?

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ゴールデングラブ賞の選考基準を解説・なぜ批判が起こるのか?

悩んでいる人
  • ゴールデングラブ賞とはどんな賞ですか?
  • ゴールデングラブ賞の選考基準や選考方法が知りたい
  • ゴールデングラブ賞の受賞選手がおかしいと言われる理由は?

このような疑問を解決します。

本記事の内容

  • ゴールデングラブ賞とはどんな賞?
  • ゴールデングラブ賞の選考基準や選考方法
  • ゴールデングラブ賞の問題点(批判やおかしいと言われる理由)

以上をそれぞれ解説します。

ゴールデングラブ賞公式サイトの情報やネット情報を総合的にまとめました。

本記事を読むと、ゴールデングラブ賞の概要(選考基準や選考方法)やゴールデングラブ賞に関する記録、問題点が分かる内容となっています。

メジャーのゴールドグラブ賞との違いなども説明しますので、ぜひチェックしてみてください。

それでは、本題に入ります。

ゴールデングラブ賞とは

ゴールデングラブ賞とは

ゴールデングローブ賞とは、公式ホームページで以下のように書かれています。

卓越した守備によりチームに貢献し、プロの技術を発揮したプレーを基準として選出された「守備のベストナイン」を表彰するものです。総合的な技能を基本として選ばれる従来のベストナインとは観点を異にしています。

引用 三井ゴールデングラブ賞

ざっくり言うと、守備のうまい選手を表彰した賞です。

ベストナインは打撃や走塁を含めた総合的な成績、こちらは守備に特化した賞ということですね。

1972年にダイヤモンドグラブ賞として創設され、1986年より三井物産の協賛で行われ、三井ゴールデングラブ賞と呼ばれています。

セ・パ各連盟の公式表彰に準じた特別賞になっています。

選考方法

セ・パ各リーグで、ポジションごとに原則1名ずつ、9名が選ばれます。

外野手については、全て同一のポジションとみなして、3人選出します。

同一ポジションの選手の獲得票数が並ぶと、同時受賞となる場合もあります。

したがって、リーグで10名以上選ばれることもあります。

ポジションで「該当なし」の得票が過半数に達した場合は、そのポジションは「該当なし」となり、誰も選ばれません。

2010年のセリーグ一塁手で「該当者なし」となりました。

ゴールデングラブ賞の選考基準

ゴールデングラブ賞の選考基準

選考の基準を説明します。

受賞資格

プレーヤーの受賞資格は、一定以上の成績を残した選手が対象になります。
成績の基準は、以下のとおりです。

  • 投手は規定投球回に達している、またはチーム試合数の1/3以上登板している
  • 捕手はチーム試合数の半分以上、出場している
  • 内野手はチームの試合数の半分以上、1ポジションの守備につく
  • 外野手はチーム試合数の半分以上、外野手として出場

成績というよりは、出場試合数によって有資格者となります。

ペナントレースが終わると、セ・パ両リーグ野球連盟からゴールデングラブ賞の選考基準を満たす「有資格者リスト」が提出されます。

»2021年の有資格者リストは、こちらからご覧ください。

この有資格者の中から選考委員が、ゴールデングラブ賞を決定します。

選考委員の資格

選考委員は以下の方たちです。

・新聞社
・通信社
・テレビ局
・ラジオ局

上記の人で
プロ野球担当記者として、5年以上のキャリアを持つ記者が投票します。

※このプロ野球担当記者の投票が、近年問題になっています。後ほど説明します。

賞金とトロフィー

受賞者には金色の皮革で作られた、グラブ型トロフィーと賞金50万円が与えられます。

金色のグローブ型トロフィーを持っている写真を、よく見ますよね。

電子投票システム

インターネットでの投票システムを導入しています。このシステムを利用することにより、手書きによる無効票の削減や、取材先からの投票も可能です。

投票システムよりも、投票記者の質の問題をどうにかしてほしいと思っています。

2021年ゴールデングラブ賞

2021年ゴールデングラブ賞

2021年のゴールデングラブ賞は、12月2日(木)15:00に発表されます。

テレビ、ネットで視聴することができます。

詳しくは»プロ野球の表彰式(NPB AWADS)の概要をご覧ください

セリーグ受賞者

パリーグ受賞者

ゴールデングラブ賞の問題点

ゴールデングラブ賞の問題点

ゴールデングラブ賞の選出について毎年「批判」や「ここがおかしい」といった、意見をよく耳にします。

1番の問題点は「記者の印象による投票」によって、賞が決まるということです。

そして記者の質が低いことが、問題になっています。

ここからまとめた情報は、以下のとおりです。

①本来、ゴールデングラブ賞は守備機会、失策数、UZR、捕手ならばフレーミング、盗塁阻止数等の数値で決定されないといけない。

しかし選手の知名度や打撃成績、投手成績によってゴールデングラブ賞が決まってしまう。

②解雇された選手に投票した、記者がいた。

ちなみに「フレーミングとは?」と思った方は野球におけるフレーミングとミットずらしは違う【動画、本も紹介】

UZRを詳しく知りたい方は、【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】をご覧ください。

詳しく説明します。

①実際の守備力と違う

2019年の例ですと、パリーグ3塁手部門でUZR4位の松田が受賞となりました。

これはおかしいとなったわけです。

これにより記者は、印象で選んでいることが分かりました。

ですので、ダイビングキャッチやファインプレーのような、派手なプレーや、知名度の高い選手を選ぶ傾向が強いです。

また過去の実績やイメージによって選んでいることも分かりました。

実際に記者のコメントを読むと、「派手なプレー」や「印象」で選んでいるのが分かります。

詳しい記者コメントは、投票記者コメントをご覧ください

近年は失策数や守備機会だけでなく、UZR等のセイバーメトリクスでプレーが数値化され、誰でもかんたんに守備力が分かるようになりました。

そこから「UZR(守備力)の数値が低いのに、ゴールデングラブ賞に選出されるのはおかしい」「打撃力や投手力で選んでいる」「過去の実績で選んでいる」といった意見が多くなっています。

セイバーメトリクスについて詳しく知りたいは【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】をご覧ください。

②解雇された選手に投票した、記者がいた

これについてはどうしてなのか、全く理解できません。

2020年は自由契約となった巨人、吉川大機、モタに票が入りました。

「なぜこのようになったのか?」「無記名ではなく記名式にするべき」といった議論が起こっています。

過去のおかしい受賞

以前からこのようにおかしい投票があったようで、1987年は守備率の日本新記録を作った高木豊が受賞を逃しました。

「今年は守備率の日本新記録を作ったのでゴールデングラブ賞は間違いなく自分だと確信していたが、こんな大記録にすら野球記者は気付いてもいない」という趣旨の発言をして投票したプロ野球記者を批判し、あからさまに不快感を表明した。

また2005年の新庄剛志選手は、負傷から106試合の出場にとどまったにも関わらず、外野手部門のゴールデングラブ賞に選出されました。

本人も以下のようにコメントしています。

「今年のオレのゴールデングラブ賞はおかしい。1年間この賞を心の中で目指して取り組んでいた選手に申し訳ない。来年からは、印象ではなく数字で選んで欲しい。そうでないとこの素晴らしい賞の価値がなくなってしまう」などとコメントした

このような問題があることから、以下のように定義させてもらいます。

MVPと同じ

解雇選手に投票していたのは、論外なので省略します。
そこで以下のように提言します。

新人王、MVP、ゴールデングラブ賞、ベストナインは数字で争うものではないと理解しましょう。そして「いい加減で良い」と割り切る必要があります。

実際UZRはデータ会社のデータなので、100%正しいとは言いきれません。したがって予想しながら当日を待って、「当たっていた」「外れていた」ということを楽しみましょう。

このほうが幸せに見れます。
選手はつらいですが。
現状では割り切るしかないですね。

個人的には、「記者の質を上げるために記名制」か「100%UZRのデータで決める」がいいと思っています。

参考までにメジャーについても説明します。

メジャーリーグのゴールドグラブ賞

メジャーリーグのゴールドグラブ賞

メジャーでは、ゴールデングローブ賞ではなく、ゴールドグラブ賞と呼ばれています。

メジャーリーグの場合、記者ではなく監督、コーチの投票により選出されます。

選出方法は、日本と変わりませんが、日本よりUZRやフレーミングといった、セイバーメトリクスの点から評価されます。

実際のデータもMLBが公表しているので、信用性が高いです。

ただメジャーリーグでも「監督、コーチの印象でゴールドグラブ賞が決まる」といった印象も少なからずあります。

ゴールドグラブ賞、常連のジーターは、「実は守備がうまくなかった」ということが、データにより証明されています。

過去の情報なので、微妙な所もありますが。
ですので、この賞は日米どちらでも賛否が起こる賞です。

ゴールデングラブ賞に関するその他の疑問

外野手の選出方法

なぜ外野手はポジションごとの選出ではないのか?

詳しい理由は、分かりませんでした。推測ですが
・外野手は、ポジションごとの特殊性が少ないので、まとめて評価しよう
・レフトの守備力がゴールデングラブ賞に値するのか疑問
といった理由が、あるのでは。

過去の該当者なし

過去に該当者なしはありましたか?

2010年のセリーグ一塁手で「該当者なし」がありました。

印象的な選手がいなければ、該当なしということもありえるわけです。

ゴールデングラブ賞のまとめ

ゴールデングラブ賞は、各ポジションで守備の優れた選手に贈られる賞です。

ちょっと問題もありますが、賞の発表を楽しみましょう。

発表は12月2日(木)になります。

授賞式はネットやテレビで視聴することができます。

このほかの野球用語については【保存版】野球初心者にもわかりやすい野球用語一覧でまとめていますので、よかったらご覧ください。

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