本記事で分かること
- 野球のリリーフ投手とは
- リリーフ投手の名称(リリーフ・中継ぎ・ワンポイント・クローザー・抑え)と役割の違い
- リリーフ投手の評価の仕方
以上をそれぞれ解説していきます。
NPB(プロ野球)の公式情報やネット情報を用いて詳しく解説します。
本記事を読むことによって、リリーフ投手について網羅的に分かる内容となっています。
リリーフ投手について詳しく知ると、より野球が楽しくなるはずです。
それでは、さっそく本題に入りましょう。
リリーフ投手とは
「リリーフ」は明確に定義されている野球用語ではありません。
しかし先発投手の後に投げる投手をまとめて、リリーフ投手と呼ぶことが一般的です。
他にも救援投手やリリーバー、リリーフエース(中継ぎのエース)など呼ばれることもあります。
ややこしくしているのは、リリーフ投手の中でも役割や名称が異なっていることです。
以下のようなイメージが分かりやすいです。
そして現代野球では、リリーフ投手の重要性が増しています。
リリーフ投手が大切な理由
最近の野球では、投げすぎによる肩、肘の故障を防ぐため投手の投げる球数に注目が集まるようになりました。
そのため先発投手は、100球程度で交代するのが一般的です。先発が100球程度で交代すると、だいたい5~7回まで投げることができます。
しかし野球は、9回まであります。したがって残りの3イニングを勝ち越されず、試合を終わらせるためにリリーフ投手が重要です
勝ち試合なら、負けないように。
負け試合なら、点差が離れないように。
大差で負けていても、試合を成立させるように。
また終盤の僅差の試合での登板が多くなるので、プレッシャーも大きくかかります。
このように先発の肩を優先した結果、逆に中継ぎ投手の選手寿命は短くなっています。
状況によっては毎日投げるわけですから、負担がかかるのは当たり前ですよね。
そこから最近は、中継ぎ投手でも3連投ぐらいしたら1日休むようになっています。
逆に感覚が空いたら、調整登板する時もあります。
ちょっと話がそれましたが、リリーフ投手にはチームの勝利に対して、大きな役割をになっています。
一言でリリーフ投手といっても、さまざまな役割があります。
そんなリリーフ投手を深堀りします。
リリーフ投手の名称と役割
先ほど説明した通り、抑え(クローザー)と中継ぎ投手に分けられます。
抑え・中継ぎの順に解説していきます。
抑え(クローザー)
抑え投手(クローザー)とは勝っている試合で3点差以内の最後に投げる投手です。1イニングか1イニング以上を投げ相手に追いつかれずに試合を終わらせる役割があります。
ストッパーや守護神、クローザーと呼ばれることもあります。
相手の反撃を抑え、チームを勝利に導くポジションなので、最も信頼されるリリーフ投手が任されるのが一般的です。
実力も大切ですが、1点差や追いつかれそうなプレッシャーのかかる場面での登板になるので、気持ちが強くないと、務まらないポジションです。
チーム戦術で抑えを2人置く、ダブルストッパーにすることもあります。
抑えで有名な投手
- 岩瀬 仁紀
- 藤川 球児
- 佐々木 主浩
誰でも一度は聞いたことがあるような、投手ではないでしょうか。
全選手セーブの記録を持っている日本を代表する抑え投手です。
抑え投手については セーブという記録で評価されますが条件が少し複雑です。
分かりやすく「【完全保存版】ホールド・セーブについて例題で分かりやすく解説」で解説しているので確認してみてください。
中継ぎ投手の役割4選
先発投手と抑え投手の間を担当する投手を、中継ぎと呼びます。
抑えと違って勝っている場面だけでなく、同点や負けている場面でも投げます。
近年は中継ぎ投手の役割が増していて、優勝するチームには必ず成績のいい中継ぎ投手がいます。
ちなみに中継ぎ投手はホールドという記録で評価されます。
中継ぎ投手の中でも、以下のように分けられます。
- ロングリリーフ
- セットアッパー
- ワンポイント
- 敗戦処理
以上の4つです。詳しくみていきます。
ロングリリーフ
ロングリリーフとは長い、イニングを投げる中継ぎ投手のことです。
3~5回を投げるイメージです。
先発投手が早い回で点を失ったり、ケガで降板したときに投げる投手です。
相手に点数を与えず、味方の援護を待ちます。
活躍次第では、勝ちにつながることもあるし、勝ちも負けもつかずイニングを稼ぐ役目もあります。
またローテーションの谷間などで、先発投手がいない時に投げることもあります。
先発投手に近い役割なので、スタミナを持つ投手が担うことが多いです。
便利屋的な立場ですが、チームに一人いると心強い選手です。
厳しい言い方をすると、「先発としては失格だけど、便利屋として使う機会が多くあるよね」といった投手になります。
ロングリリーフで有名な投手
- 牧田 和久
- 西村 健太朗
- 山井 大介
以上の3名の投手がロングリリーフとして有名です。
先発もできるし、リリーフ、抑えもできる投手が多いです。
いろいろな場面で使われる、便利屋の投手が多くなっています。
セットアッパー
セットアッパーとは勝ている試合の7、8回に投げる投手のことです。
先発の後、抑え(クローザー)の前に投げる投手です。
日本では「セットアッパー(和製英語)」、アメリカでは「セットアップピッチャー(set up pitcher)」または「セットアップマン(set up man」と呼ばれます。
勝っている試合で、リードを保って抑え(クローザー)につなぎます。同点の場合で登板することもあります。
「勝ちパターン」の中継ぎ投手と言われたりもします。
中継ぎの中で、1番注目されるポジションで、抑えと同じくらいの力をもつ投手が起用されます。
リリーフ投手というと、セットアッパーを思い浮かべる人も多いです。
セットアッパーで有名選手
- 浅尾 拓也
- 宮西 尚生
- 山口 鉄也
成績(ホールド、登板数)や表彰をみても、上位に表示される投手です。
100ホールドや200ホールドを達成している投手ですので、優秀な中継ぎ投手です。
ワンポイントリリーフ
ワンポイントリリーフとは、試合の終盤で打者一人または2人だけに投げる、投手のことです。
「ワンポイントリリーフ」「ショートリリーフ」「スポットリリーバー」と呼ばれます。
プロ野球では左打者対左投手は、左投手が有利と言われています。
理由は、左投手が少なく球筋が分かりづらいといわれています。
※理由は、他にもあります。
特に多いのが、左の強打者に対して投げるリリーフ投手です。
例ですと柳田や丸といった超一流打者に対して、打者一人だけ投げます。まれに右打者に対してもあります。
その選手の打席が終わったら、打たれても打ちとっても交代します。
打者一人、重要な場面で投げるので、非常にプレッシャーがかかる役割です。
アメリカ、メジャーリーグでは2020年からワンポイントリリーフが禁止になりました。これは最低でも打者3人と対戦するか、そのイニングが終わるまで交代できません。
日本でも今後、禁止になる可能性があります。
ワンポイントの有名選手
- 森福 允彦
- 嘉弥真 新也
- 遠山 奨志
左の変則投手といったイメージの投手が多いです。個性ある投げ方の投手がつくポジションと言えそうです。
他にも右投げの木塚敦志、加賀繁、比嘉幹貴などがあげられます。
敗戦処理投手
敗戦処理投手とは大差で負けている試合で、投げる中継ぎ投手のことです。
言葉としていいイメージはありませんが、大切な役割です。
大差で負けているとき「ここで試合をやめます」とできないので、登板が多くなった勝ちパターンの中継ぎ、抑え投手を休ませるために起用されます。
試合を成立させるために中継ぎ投手が登板します。
敗戦処理にはいいイメージはありませんが、他にも役割が複数あります。»敗戦処理投手の役割で解説しています。
中継ぎ投手についてはホールドという記録で評価されます。ホールドが記録される条件は少し複雑ですが、【完全保存版】ホールド・セーブについて例題で分かりやすく解説をご覧ください。
【番外編】リリーフに向いているタイプの投手
リリーフに向いているタイプの投手を、まとめてみました。
- 気持ちが強い
- 1イニング(短いイニング)なら優秀な投球ができる
- ストライクをとれる制球力
- 決め球を持っている(フォークやスライダー等)
- 短時間で肩が作れる
- 連投可能
現代では、
先発=優秀
リリーフ=先発でダメだった投手
ではありません。昔はこのようになっていましたが。
人によって向き、不向きがあります。
適材適所で、シーズン優勝を目指しています。
会社と同じですね。
【まとめ】野球のリリーフ投手とは
主に中継ぎと抑え(クローザー)の2種類があります。
中継ぎの中には、以下の4つの役割がある
- ロングリリーフ
- セットアッパー
- ワンポイント
- 敗戦処理
それぞれ大切な役割があります。
リリーフ投手を知ることによって、野球の面白さが何倍にもなります。特に敗戦処理は、人間模様が知れて、奥深いのでおすすめです。
野球ライフの参考になったらさいわいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。