本記事で分かること
- 野球選手にとってメディシンボールを使ったトレーニングが大切な理由
- 野球用のメディシンボールを選ぶ際のポイント
- 野球に生かせるメディシンボールを使ったトレーニング方法を紹介
本記事を読むことによって、メディシンボールを使ったトレーニングの重要性。自分に合ったメディシンボールの重さが分かります。
結論から言うとメディシンボールを使ってトレーニングを行うと、球速が上昇します。また野球のパフォーマンスが総合的に上昇します。一石二鳥のトレーニングです。しっかり学んでいきましょう。
それでは本題に入っていきます。
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メディシンボールとは
大まかに1キロ~10キロ程度のドッチボールのようなトレーニングボールのことです。様々な形や重さがあります。
ボールの重さを利用してトレーニングを行うことで、自重では得ることができない体幹(腹斜筋や腹直筋、お尻等)を使って投げる感覚や、バッティングの感覚を鍛えることができます。
ピッチング練習やシャドーピッチングなどの自重で行うトレーニングも大切ですが、球速やコントロールを上げるためにはメディシンボールを使ったトレーニングが必要不可欠です。
野球にメディシンボールを使ったトレーニングが効果的な理由
野球にメディシンボールを使ったトレーニングが、効果的な理由を説明します。
結論として2点です。
- データとして出ている
- 肩や肘の負担を減らせる
【結論】データとして出ている
メディシンボールを投げた距離と球速に相関関係があるからです。データで証明されていると、頑張りやすいですよね。
詳しい記事はこちら »野球動作 論文
要約すると
メディシンボールの投げた距離と、投球速度に相関関係がある。距離が伸びると球速が速くなるということです。
ただ「メディシンボール投げ」だけやるのではなく、いろいろなトレーニングをバランスよく行っていくことも大切です。
他にもメディシンボール投げをおすすめする理由があります。
肩や肘の負担を減らせる
最近では、「投げすぎはよくない」。1試合、100球以内のようになっています。小学生は、連投禁止。投げ込みなどの練習は、減ってきていると思います。
肩や肘は消耗品と考えれば、大事にしたいですよね。
そんな時にメディシンボールを使ったトレーニングですと、球数制限を気にせず投球のパフォーマンスを上げることができます。
肩や肘に負担が少ないトレーニングですので、積極的に取り入れていけそうです。しかし回数だけを求めるのは危険です。
肩や肘が痛い選手。体が出来ていない選手にもおすすめです。
メディシンボールを選ぶポイント2選
メディシンボールを選ぶ際のポイントを紹介します。
- 形状
- 重さ
詳しく説明します。
形状(ソフトタイプとハードタイプ)
基本的に2タイプです。ソフトとハードタイプがあります。
ソフトタイプ | ハードタイプ | |
ボールの跳ね返り | 若干あり | なし |
中身 | 空洞 | 砂のようなものが入っている |
筋トレ | 〇 | ◎ |
投げる | ◎ | 〇 |
ソフトタイプ
パワー系・スピード系のトレーニングに向いるのがソフトタイプです。体全体を使って投げるトレーニングに向いています。若干の跳ね返りがあるので、効率よくトレーニングを行うことができます。
トレーニングにはおすすめですが、ボールが大きいので持ち運びの際不便です。車で移動するのであれば問題ありません。
ハードタイプ
筋力系・バランス系のトレーニングに向いているのが、ハードタイプです。腕や上半身を使って投げるトレーニングに向いています。
ボールが小さいので、持ち運びに便利といった特徴があります。
【ポイント】
どちらでものタイプでもOKですが、野球のトレーニングには20センチ前後のソフトタイプがおすすめです。壁や地面に投げた際、ボールが返ってきてリズムよく連続で行えます。しかし大きいので、持ち運びに不便です。逆に被ハードタイプですと、小さいボールもあるので持ち運びに便利です。
どちらでもメリット、デメリットがあります。
重さの目安
筋力トレーニングではないので、重ければいいということではありません。
選ぶ目安は、下半身から体幹を使って、最後にボールをリリースできる重さです。
ちょっと分かりづらいので、大体の目安はこちら。
重さ | |
小学生 | 2キロ以下、1キロ前後がおすすめ |
中学生 | 2キロ以下 |
高校生 | 3 キロ前後 |
社会人 | 3~5キロ |
※あくまでも目安ですので、トレーニングや筋力によって変わります。
小学生や中学生は体の大きさの違うので、選手の体に合わせた重さの選択が大切です。重すぎると怪我につながる可能性もあるので、慎重に選んでください。
また予算に余裕がある場合は、トレーニング方法によって使い分けるといいですね。
初めは軽めの重さがいいです。軽い重さで体幹(お腹)から投げる感覚を覚えるといいです。
メディシンボールを使ったトレーニングのコツとポイント
メディシンボールを投げるコツですが、どんなトレーニングでも下半身と体幹(お腹)を意識して投げることです。
下半身
↓
股関節
↓
上半身(お腹)
↓
ボール
の順を意識して投げることが大切です。
手だけで投げないように、下半身の力を股関節、上半身(お腹)の順でボールにぶつけていくイメージです。下半身と上半身を連動できるようにトレーニングします。
正しい方法で行わないと、効果がでないので気を付けましょう。
動画で確認しながらトレーニングを行うのがおすすめです。
メディシンボールを使ったトレーニングのデメリット
ここまで、いいことばかり紹介していきましたが、デメリットもあります
- 重すぎると、ケガをする
- フォームを意識しないと意味のないトレーニングになる
- 疲労した状態では行わない
重すぎると、ケガをする
体に合った重さのメディシンボールを使わないと、ケガのリスクをが高まります。
使っている際に、重すぎると感じたり、あまりにも距離が投げれない場合は重さを変えましょう。
チームで同じボールを使っている場合は注意が必要で、トレーニングにもよりますが自分に合った重さを選択しましょう。
逆に軽すぎると、体幹や下半身を使って投げる感覚がつかみずらいので、重いボールに変えましょう。
なかなか自分にあった重さを選ぶのは難しいですが大切です。
フォームを意識しないと、意味のないトレーニングになる
全てのトレーニングにいえますが、フォームが大切です。
下半身から体幹を使って、指先の感覚を高めながら投げる意識が大切です。
私もあるのですが、回数を意識しすぎるのはよくありません。例えば「今日は、メディシンボールスローをトータル10回づつ行おう」みたいな考えは危険で、回数に意識がいきすぎです。
もちろん正しいフォームで行えれば、回数を意識することも大切です。しかし初めのうちは1回、1回フォームを意識することの方が大切です。
疲労した状態では行わない
試合前のアップとして軽く行う場合は別として、トレーニングで行う場合は疲労した状態で行わないほうがイイです。
メディシンボールスローは、腱や関節に対しても大きな力が加わります。したがって適切な休養とセットで行う必要があります。
筋トレと同じようなイメージで、ある程度の間隔を空けながらトレーニングを行いましょう。
ここからは具体的なトレーニング方法を紹介していきます。
※最後に動画あり
メディシンボール使ったトレーニング10選
具体的なトレーニング方法を説明します。
最後に動画で詳しい説明があります。
オーバーヘッドスロー
サッカーのスローインと同じ動き
やり方
- 足を肩幅より少し広げる
- 胸を大きく張る
- 下半身、体幹(お腹)を意識して前方に投げる
足をそろえて行う方法と、一歩踏み出して行う方法がある。
踏み出す場合は、踏み出した足で地面の反発を意識、手に伝えるイメージです。腕で投げるイメージよりも、体幹で投げるイメージを意識します
「軸足での推進→着地足伸展でボールを投げる」
というのが、ピッチングの根本だと思うけど、その原理を簡略化し、体の使い方を習得するためのドリルがこれ。注意点は、頭が突っ込まないようにすること。 そうすれば加速距離を確保でき、着地足伸展の力を最大限使える。 pic.twitter.com/Jlh3J2NRd8— VELO's blog (@throwhard67) April 24, 2020
バックスロー(背面への両手投げ)
やり方
- 足を肩幅より少し広げる
- しゃがむ
- 下半身から上半身を意識
- 全身のバネを使って後方に投げる
手投げにならないようにする
お尻周りと背筋を強化するトレーニングです。
バックスローでメディシンボールを遠くまで飛ばせる(高く投げれる)選手ほど、球速が速いというデータがあるので、投手の必須メニューの一つです。
メディシンボールスロー。 #近藤大亮#オリックスバファローズ #プロ野球 #メディシンボール pic.twitter.com/FTCg3CrJ91
— issei_kamada_orix_buffaloes (@ikbuffaloes) June 16, 2019
プッシュ
バスケットのパスと同じイメージ
やり方
- 足は肩幅より少し広く
- 胸を張ってお腹の力を使ってボールを壁にぶつける
腕だけ使わないよう下半身を意識して行う。
両足をそろえて行う方法と、前に1歩踏み出して行う方法がある。
サイドスロー(プッシュ、下投げ)
イメージは
・体をひねってバスケットのパス
・体をひねって下投げ
やり方
- 足を肩幅より少し広げる
- 体をひねる
- 腰の回転を使ってボールを壁にぶつける
- 左右リズムよく行う
ボールを体の正面から押し出すやり方と、下投げのやり方がある。
腕だけではなく胸を伸ばしてお腹の力を使う。胸を引き延ばすことによって大きな力を生む。股関節から骨盤の回転を意識する
#若月健矢: メディシンボールスロー.
瞬発力を高める代表的なメニューです. 下半身からボールまでの連動、骨盤、体幹の回旋、力発揮の方向性など確認出来る事が沢山あります. スイングスピード、打球速度、飛距離を伸ばしたい方は是非お試し下さい! pic.twitter.com/T9KGzO2U4S— issei_kamada_orix_buffaloes (@ikbuffaloes) June 27, 2020
スラム(地面にたたきつける)
やり方
- 足を肩幅より少し広げる
- 胸をそって腕をなるべく高く上げる
- 頭上から最大限の力で地面にボールをたたきつける
片膝をついた(左右)やり方もあり。
お腹に力を入れて、頭の上からたたきつける。
体幹から地面にたたきつけるイメージで行う
体幹を鍛えるメディシンボールトレーニング
体幹を鍛えるメディシンボールトレーニングも多くあります。
ただし、野球選手が行う場合賛否があり、私自身は取り入れていません。
そもそも一般的な体幹トレーニングすら、可動域が狭くなる恐れもあり、トレーナーの方もおすすめしていない方が多くいます。
ですので、おすすめしません。
どうしても、メディシンボールを使った腹筋を鍛えるような体幹トレーニングをしたい方は、ネットで調べると多くの方法が出てきます。
動画でメディシンボールスローを確認
動画と自分でとった動画を比べながらトレーニングを行うことで、効率よく上達しますのでぜひご覧ください。
メディシンボールを使ったトレーニングでパフォーマンスを上げよう
野球選手にとってメディシンボール投げは、必須のトレーニングとなっています。
シーズン中はアップで、シーズンオフは徹底的に行うなどもいいかも。
投げなくても飛距離や投球速度を向上させることができます。肩や肘の負担が少ないので、おすすめのトレーニングです。
がんがんトレーニングして、野球がうまくなることを願っています。
メディシンボールは、以下から購入できますよ!
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