ドミニカの野球が強いのはなぜ?ランキングやアカデミーを紹介しながら解説

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ドミニカの野球が強いのはなぜ?ランキングやアカデミーを紹介しながら解説

悩んでいる人
  • ドミニカ共和国の野球が強い理由が知りたい
  • ドミニカの野球で有名な選手が知りたい
  • ドミニカの野球のレベルが知りたい

このような疑問を解決します。

本記事を読めば、ドミニカ共和国の野球が強い理由、ドミニカで有名な野球選手、ドミニカの野球のレベルなど、ドミニカの野球について網羅的に知ることができます。

それでは、本題に入ります。

ドミニカの野球はなぜ強いのか?

ドミニカの野球はなぜ強いのか?

ドミニカの野球が強い理由は以下の2点が理由です。

  • 貧困
  • アカデミーの充実

詳しく解説します。

貧困

ドミニカでは国民の半数が貧困層と言われ、月収400ドル以下で暮らしています。

ドミニカでは観光業ぐらいしか主な産業がなく、野球は貧困を脱出する数少ない手段です。

一人当たりのGDPが7500ドルと言う国で、野球をすることは、稼ぐということを意味します。

そのため、学校に部活はなく、そもそも学校に行く子供も少なくなっています。

野球は稼ぐための手段で、目の色を変えてアメリカンドリームをつかむため、野球のレベルが上がっていると言われます。

モチベーションで日本人とは全く違う状態です。

アカデミーの充実

もう一つの要因は、メジャーリーグ全球団がアカデミーを置いています。

アカデミーとは、メジャーリーガーを養成する専門の機関です。

アカデミーによっては、野球の技術指導だけでなく語学の勉強など、一流のメジャーリーガーになるための作法も学ぶことになります。

複数のチームを編成している球団もあるため、実に40球団以上のアカデミーがあります。

また広島東洋カープがアカデミーを開いていることでも有名です。

このメジャー球団が運営しているアカデミーの影響で、ドミニカ野球は強くなっています。

なぜアカデミーが多くあるのかは、後程紹介。

ここからは、アカデミーについてもう少し深堀していきます。

ドミニカの野球アカデミーとは

ドミニカの野球アカデミーとは

ドミニカには3種類のアカデミーがあります。

ここでは、この3種類について詳しく解説していきます。

  • メジャーリーグのアカデミー
  • 広島カープのアカデミー
  • 私設アカデミー

メジャーリーグのアカデミー

メジャーリーグのアカデミーは、一言で言えばメジャーリーガー養成施設です。

選手は中南米を中心にスカウトされ、その選手が各球団の育成方針に従って、徹底的に野球の基礎を叩きこまれます。

育成は完全マニュアル化され、まるで工場のベルトコンベアに乗って部品が製品に仕上がるように管理されています。

自主練習は禁止。
全ての練習が球団によって管理されています。

メジャー球団にとって、ここにいる選手は、大切な素材。

これを無傷で「半製品」としてアメリカに輸出するのが、このアカデミーの役目となっています。

野球上達のノウハウがあり、なおかつ中南米選手の身体能力が加わることで、高い確率でメジャーリーガーを養成することができます。

広島カープアカデミー

ドミニカに日本で唯一アカデミーを置いているのが広島カープです。

資金力の乏しい球団のため、低コストで自前選手を育てるためメジャーリーグに倣ってアカデミーを設置しています。

広島カープの育成方針の元、日本式で練習時間も長いのが特徴です。

またメジャー球団のアカデミーから漏れた選手を雇うことで、年齢は高めですが安い賃金で即戦力の選手を育成していきます。

過去にはフェリシアーノ、フランスア、サンタナと言った選手がこのアカデミーからカープの選手になっています。

他のアカデミー

他にも私設アカデミーがあります。

これは元プロ選手が自ら運営している私設アカデミーです。

このような私設アカデミーは、もともとフリーランスのスカウトでした。

スカウトとして、見込みのある少年たちをメジャー球団に紹介して手数料を稼いでいたが、やがて自らアカデミーを開き少年を囲い込むようになります。

そして、現在の規模はグラウンド、寮、食堂など自前の施設を備え、スカウトしてきた選手たちの技術指導から食事までの面倒まで見るようになっています。

アカデミー生にお金の負担はありません。

誰かがメジャー球団と契約すると、その契約金の4割・5割がアカデミーに入る仕組みです。

近年のドミニカ人選手の契約金の相場が1,000万円ほどです。

ただし、2019年に16歳でヤンキースと契約したジェイソン・ドミンゲスの契約金は5億5,000万円でした。

このような選手を育成できる私設アカデミーは、現在も増えているようです。

ドミニカの野球に関する疑問

ドミニカの野球に関する疑問

他のドミニカの野球について深堀していきます。

アカデミーがドミニカに多い理由

中南米には多くの野球強豪国がある中、なぜメジャーリーグのアカデミーはドミニカに多いのでしょうか?

それは、税金を免除されているからです。

またアメリカから運ばれてくる道具にも関税がかかりません。

いわゆるタックスヘイブンのように、選手の給料(所得税)や道具(税金)、施設にかかる税金などが優遇されています。

つまり、他の国で運営するより、安い費用でアカデミーを運営することができます。

これはドミニカ側からみても、資金を集めて自国経済が潤うので効果、メリットも大きくなっています。

このような理由から、他の中南米の国ではなく、ドミニカに多くのアカデミーが設置されています。

ドミニカの野球の歴史

ドミニカの野球については、キューバ在住のアメリカ人海兵によって1866年に伝えられたと言われる説もありますが、1891年にキューバ人のアロマ兄弟がドミニカに出稼ぎに来た際に伝えられたとされるのが有力です。

キューバと同じく、砂糖産業の従事者の間で野球が普及していったようです。

国内リーグ

ドミニカには3つの国内リーグが存在しています。

  • DSL
  • リガ・デ・ベラーノ・ベイスボル・プロフェシオナル
  • リガ・デ・ベイスボル・デ・ラ・レプリカ・ドミニカ―ナ(LIDOM)

DSL

一つは先ほどから紹介している、アカデミーによるDSLと言うリーグ。

こちらは育成のため集客を行いません。

メジャーリーガーになるためのリーグと言えそうです。

リガ・デ・ベラーノ・ベイスボル・プロフェシオナル

もう一つが夏に行われるサマーリーグ(リガ・デ・ベラーノ・ベイスボル・プロフェシオナル)です。

こちらは、国外で契約のとれなかったベテラン選手が、アカデミーの選手と同等の報酬(月給8,000ドル程度)で1か月間行われるリーグです。

実質、ベテラン選手を救済しているリーグです。

リガ・デ・ベイスボル・デ・ラ・レプリカ・ドミニカ―ナ

もう一つがウインターリーグ(リガ・デ・ベイスボル・デ・ラ・レプリカ・ドミニカ―ナ)と呼ばれます。

こちらが最も大きな規模の国内リーグで、国内5都市の計6チームが45~50試合行い、1月からプレーオフも実施します。

プレーオフを制したチームはカリビアンシリーズ(カリブ海地域のクラブ一位を決める大会)に出場します。

亡命

ドミニカの選手は亡命はしません。

亡命をするのは、社会主義国家のキューバの選手です。

亡命については以下の記事で詳しく解説しています。

キューバの野球はなぜ強いのか?亡命や公務員についても解説

ドミニカのメジャーリーガーの数

今やドミニカの選手がいなければ、メジャーリーグが成り立たないと言われています。

メジャーリーガーの数は約150人。
マイナーリーガーの数は約900人。

他に世界各地に出稼ぎに出ている選手が年間、約2,000人。

人口は約1,000万人。

日本の人口1億2,000万人でメジャーリーガーは10人前後と考えると、メジャーリーガー、野球選手の割合がとんでもない数ということが分かります。

ちなみにそんなドミニカでもメジャーリーガーになれるのは、野球選手の2%と言われています。

ドミニカの世界ランキング

ドミニカの世界ランキングはWBSC公式サイトで確認できます。

ちなみに2021年11月のランキングによると、日本が1位。ドミニカは6位となってます。

オリンピックの結果を反映しているもので、メジャーリーガーを含めた成績になっていません。

したがって、純粋な世界レベルのランキングかは微妙なところ。

ドミニカのレベル

ドミニカの野球レベルは、世界最高峰と言っても間違いないでしょう。

ただし、メジャーリーガーが参加している大会に限ります。

と言うか、メジャーリーガーの参加が可能なWBCが事実上のドミニカでしょう。

他の大会は、若手選手のアピールの場、もしくはピークを過ぎた元メジャーリーガー、日本などに出稼ぎに来ている選手レベルです。

したがって、オリンピックや成績にこだわらないU-18などの国際大会では、日本の野球の方が圧倒的に実力が上でしょう。

ただし、今後のWBCで日本が勝てるかは、微妙なところでしょう。

ドミニカの過去の国際大会の成績

過去の国際大会の成績は以下のとおりです。

WBC

  • 2006年:ベスト4
  • 2009年:1次ラウンド敗退
  • 2013年:優勝
  • 2017年:2次ラウンド敗退

オリンピック

  • 1992年:6位
  • 1996年:アメリカ予選敗退
  • 2000年:アメリカ予選敗退
  • 2004年:アメリカ予選敗退
  • 2008年:アメリカ予選敗退
  • 2021年:銅メダル

WBSCプレミア12

  • 2015年:11位
  • 2019年:7位

インターコンチネンタルカップ

  • 1981年:3位
  • 2002年:3位

ワールドカップ

  • 1942年:準優勝
  • 1943年:3位
  • 1948年:優勝
  • 1950年:準優勝
  • 1952年:準優勝
  • 1969年:3位

ドミニカ出身で有名な選手(メジャーリーガー)

ドミニカ出身で有名な選手(メジャーリーガー)

現在も150人ほどのメジャーリーガーがいて、過去を含めるときりがないので、有名な選手のみ紹介します。

  • デイビッド・オルティース
  • ブラディミール・ゲレーロ
  • バートロ・コロン
  • サミーソーサ
  • ミゲル・テハーダ
  • アルフォンソ・ソリアーノ
  • アルバート・プホルス
  • フリオ・フランコ
  • エイドリアン・ベルトレ
  • ペドロ・マルティネス
  • マニー・ラミレス

通算安打数でも2,000本を超えている選手や、殿堂入り選手も含まれます。

一度は、聞いたことがある選手ばかりだと思います。

【まとめ】ドミニカの野球が強いのはなぜ?

ドミニカの野球が強い理由やドミニカの野球について解説しました。

ドミニカの野球が強い理由は、以下の通り。

  • 貧困
  • アカデミーの充実

メジャーリーガーが参加しないオリンピックなどの国際大会では目立った成績を残すことはないでしょう。

しかし、メジャーリーガーが参加するWBCなら世界最強の国と言っても過言ではありません。

今後、国際大会の際は、出場するメンバーにも注目して観戦しましょう。

それでは、ここまで。

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