フィルダースチョイスとは?エラーや打点になるの?ルールを解説!

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フィルダースチョイスとは?エラーや打点になるの?ルールを解説!

2025年3月に開幕を迎えてシーズンも交流戦に突入しようとしている日本プロ野球。野球好きの方は実際に現地の球場やテレビの前などで好きなチームの応援をしているという方も多いのではないでしょうか。野球には様々なルールがあり、実際に見ている際にどういう状況なのかわからないということも起きます。

今回は野球のルールの一つである、フィルダースチョイスについてどういうルールなのか解説していきたいと思います。

フィルダースチョイスとは

野球を見ていると1試合に1回程度はこのフィルダースチョイスというルールが登場してきます。フィルダースチョイスとは日本野球機構の公認野球規則で表記される言い方であり、日本語では野手選択(通称:野選)といいます。

では、実際にフィルダースチョイスとはどのようなルールなのでしょうか。一見するとただの送球や守備に見えても、実はこのフィルダースチョイスが記録に大きく影響していることもあり、野球のルール理解には欠かせないポイントです。

フィルダースチョイスの概要

フィルダースチョイスについて、公認野球規則「本規則における用語の定義」では以下のように定義されています。

  1. フェアのゴロを打った野手が、一塁で打者走者をアウトにせず、前の走者をアウトにしようと他の塁に送球する行為
  2. 打者が安打後、野手が前の走者をアウトにしようと他の塁へ送球する間、余分に進塁するケース
  3. 走者が盗塁やエラーではなく、野手の他の走者への送球中に余分に進塁する行為
  4. 盗塁に対して守備側が無関心のために何も守備を行わない為、走者が進塁足した場合

また、上記の定義とは別に1.のケースで走者をアウトにできなかった場合の打撃結果を指して「野手選択」と表現することもあります。ルールとしてかなり複雑で難しいものになっていますね。

具体例について

実際に上記のフィルダースチョイスのパターンについてそれぞれの具体例をみて理解を深めていきましょう。

フィルダースチョイスの具体例①

まず1.の例として、走者一塁で打者は内野ゴロを放ち、一塁走者をフォースアウトにしようと思い二塁に送球しました。この場合、一塁走者をフォースアウトにできたかによらず二塁への送球は野手選択となります。

  • 二塁がアウトになった場合は送球した野手に捕殺、打者には打数が記録されます。
  • 一塁走者をアウトにできず本来一塁送球で打者をアウトにできたと判断されれば、打者に打数が記録されます。
  • 一塁送球でも打者がセーフだったと判断されれば、打者に打数と安打が記録されます。

※悪送球で本来アウトにできたと判断されれば送球者に失策が記録されますが、正確な送球でもアウトにできなかった場合は失策になりません。

 

フィルダースチョイスの具体例②と③

続いて、2.と3.の場合は走者一・二塁で打者はセンター前に落ちる安打を放ったとします。二塁走者は三塁を蹴って本塁に突入しこれを見たセンターは本塁で二塁走者をアウトにできると思い、捕手へ送球します。この返球を見て一塁走者は三塁まで、打者走者は二塁まで進むことができました。本塁への返球がなければ一塁走者は二塁に、打者走者は一塁どまりであったと記録員が判断した場合は本塁で二塁走者がアウトになったかどうかに関係なく、一塁走者と打者走者の進塁は野手選択による進塁となり打者に記録される塁打は単打となります。

フィルダースチョイスの具体例④

そして4.の例としては、守備側のチームが大きくリードしている試合展開の時で走者一・三塁の場合、一塁手は一塁ベースから大きく離れた位置を守り、一塁走者も大きめのリードを取っています。投手は一塁をけん制することもなく投球し、その間に一塁走者は二塁へ進み捕手も二塁へ送球しなかったとき、野手選択が記録されます。なお、この場合における「守備側の無関心」についてはその時の得点差やイニングなどを考慮して総合的に判断が下されます。その場合には一塁走者に盗塁は記録されず野手選択が記録されるようになっています。

以上のように様々なシチュエーションによってフィルダースチョイスは記録され、その中でも状況に応じてエラーや打数が記録されることとなります。

自責点や打点について

フィルダースチョイスが発生したときの自責点や打点についての記録についてみていきます。打点については基本的にフィルダースチョイスであっても打者の打点も記録されます。投手の自責点については、野手選択により打者走者に一塁を与えたりそれ以外の走者に余分な進塁を与えたりしたあと、それらの走者が得点した場合はその野手選択が明確な野手の判断ミスであったとしても投手の自責点として記録されます。

サヨナラゲーム時のフィルダースチョイス

フィルダースチョイスによって出塁した打者に安打は記録されません。しかし、例外として最終回または延長イニングの裏の攻撃でノーアウトまたはワンアウト同点で三塁に走者がいる場面で、本塁に突入した走者に対して本塁送球を試みたが走者が生還してサヨナラとなる状況があります。その状況ではたとえ送球のタイミングが明らかに間に合わなかったとしてもフィルダースチョイスではなく安打が記録されます。

しかし、上記は野球規則にルールが記載されているわけではなく、あくまでも日本の公式記録員による慣例となっています。日本とメジャーでも扱いが異なっており難しいルールですね。

最後に

今回は野球界に存在する難しいルールの一つであるフィルダースチョイスについて、その概要や具体例について紹介していきました。全部で4つのパターンが存在するフィルダースチョイス。試合の中で瞬時にどのパターンのフィルダースチョイスなのかを判断することは非常に難しいと思います。しかし、フィルダースチョイスとはどのようなルールなのかを知っていることでより野球観戦が楽しめるようになのではないかと思います。気になった方はぜひ実際の試合をみてみてください。今まで見過ごしていたようなプレーにも、ルールを知ることで新たな発見があるかもしれません。選手の判断やプレーの裏にある意図に目を向けてみると、野球の奥深さがより一層感じられるはずです。

 

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