- 出塁率について詳しく知りたい
- 出塁率の計算方法、目安が知りたい
このような疑問を解決します。
記事の内容
- 出塁率の概要
- 出塁率の計算方法と目安の数字
- エラーで出塁した場合は、どうなる?
本記事は、NPB(プロ野球機構)、データサイト、本の情報を総合的にまとめました。
本記事を読むと、野球の出塁率の概要、目安、計算方法が分かる内容となっています。
セイバーメトリクスの視点から少し難しい話もしますので、ぜひチェックしてみてください。
「セイバーメトリクスって何?」っと思ったら【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】をご覧ください。
それでは、本題に入ります。
出塁率の目安
早速ですが、出塁率の目安から紹介します。
2019年の平均出塁率は.325です。
ここを基準に考えてみると、以下のようになります。
かなり優秀 | .450 |
---|---|
優秀 | .400 |
平均的な打者 | .330 |
悪い打者 | .280 |
まずい打者 | .250 |
あくまでも目安です。
優秀な数値
年度や会社、データによって変わる可能性もありますが、成績を見る際の参考にしてください。
- 4割を超えると優秀
- 3割5分を超えるといい打者
- 3割3分あたりで平均的
- 3割を切ると悪い打者
以上のイメージです。
打率が低くても、出塁率が高ければチームに貢献していることが分かります。
出塁率の計算方法
出塁率=(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
「アウトにならない確率」を指す指標なので、分母には「犠打以外の成績」、分子には「アウトにならなかった数」です。
分かりづらいので、例で説明します。
100打数20安打(単打12、ニ塁打3、三塁打1、本塁打4)3四球、1死球、2犠飛の選手がいたとします。
【出塁率の計算式】
出塁率(.222)={安打(20)+四球(3)+死球(1)}÷{打数(100)+四球(3)+死球(3)+犠飛(2)}
小数点第4位を切り捨てて、出塁率は.222となります。
打率と同じで、整数部分の0は省略されることもあります。
基本的には打率より数字が高くなります。
しかし犠飛も分母に含まれるので、犠飛数が四死球を上回ると、出塁率が打率より低くなることもあります。
ですが打撃で犠飛は少ないので、四死球が1以上なら可能性は低くなります。
出塁率とは
【出塁率】
出塁率とは野球において打者を評価する指標の一つで、全打席の中でバッターが塁に出た割合です。
具体的には打数、四球、死球、犠飛の合計のうち、安打、四球、死球で出塁した割合を表します。
- 打率:ヒットの確率
- 出塁率:ヒット+四死球の確率
以上のようになり基本的には、全打席のヒット+四死球でランナーに出た割合です。
プロ野球では公式記録になっていて、シーズン中の出塁率が最も高い選手が最高出塁率として表彰されます。
出塁率はセイバーメトリクスの発達により、近年大きな注目を集める数値になっています。
他のセイバーメトリクスについては【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】でまとめています。
英語
英語でOn-base percentage / OBPと呼ばれます。
成績表にOBPと書かれている箇所があれば、出塁率のことです。
エラー・犠打・犠飛の出塁率
エラーと犠飛、犠打によって出塁率は変わります。
ちょっとややこしいので詳しく説明します。
- エラーで塁に出た場合は、出塁率が下がる(計算の対象)
- 犠打(送りバント)は、出塁率に含まれない
- 犠飛(犠牲フライ)は、出塁率に含まれる
詳しく説明します。
エラー(失策)
エラーは出塁した数に入りません。
すなわちエラーで塁に出た場合は、出塁率が下がります。
エラーは、相手のミスで出塁したランナーなので、ミスがなければ凡退したと考えます。
したがって、エラーで出塁しても、出塁率は上がりません。逆に下がります。
同様にFC(フィルダースチョイス)も出塁した数に含まれません。
犠打(バント)
犠打(送りバント)では、出塁率は下がりません。
なぜなら、犠打は打数にカウントされません。
かんたんに言うと、「もともと打者がアウトになるつもりで、走者を進塁させた」と、とらえるからです。
例外として、犠打(バント)をして記録がヒットになった場合は、ヒットなので出塁率が上がります。
犠飛(犠牲フライ)
逆に犠飛(犠牲フライ)は出塁率が下がります。
犠飛は、打ちにいった(ヒットを狙った)結果アウト、ランナーが進塁したと考えます。
まとめると、犠飛は打数にカウントし出塁率が下がります。
犠打は打数にカウントしないため、出塁率は下がりません。
振り逃げ
振り逃げの場合、出塁率は下がります。
こちらの考え方は、エラーの場合と同じです。
相手のミスで出塁した場合、出塁率にカウントされることはありません。
インターフェア・オブストラクション
インターフェアやオブストラクションは、出塁率に含まれません。
したがって、出塁率が増減することもありません。
記録上はインターフェアで出塁。
守備側にはエラーが記録されます。
打率と出塁率が逆転することも
上記で説明したとおり、犠飛(犠牲フライ)は出塁率に含まれるため、打率と出塁率が逆転することもあります。
四死球の合計が犠飛(犠牲フライ)の数を下回った時に、打率より低くなります。
少ない打席数で犠牲フライの数が増えると、このようなことがあります。
過去にNPBやMLBで記録されています。
出塁率ランキング・ジーズン・歴代
出塁率に関するランキングは、以下のNPBの公式サイトで確認できます。
出塁率と打率どちらが大事⁉
野球において最も重要なことは、「得点を増やす」と「失点を減らす」です。
得点が多くなると、勝つ確率が上がります。
誰でも理解できると思います。
当たり前のことを言って、すいません。
しかし重要なことなので。
この得点と関連性が、高いのが出塁率です。
出塁率が高い
↓
アウトになる確率が低い
↓
永遠に攻撃ができる
↓
得点を多く奪える
このようなイメージです。
従来の成績、打率や打点は得点との関連性が低いことから、出塁率や長打率が注目されるようになりました。
ちなみに
打率と得点の相関関係は、7割2分
出塁率は8割3分
程度と言われてます。
出塁率が分かると野球の楽しみ方が増えます
野球中継を見ると、出塁率が大きく取り上げられることはありませんが、はっきりいってかなり重要な数字です。
テレビ中継では、打者を評価する際に打率を表示しますが、打率より重要です。
打率が低くても出塁率が高い打者は、チームの勝ちに貢献している打者と言うことです。
テレビでは、表示されませんがコアな野球ファンは、出塁率の重要性が分かっています。
テレビを見る際は、出塁率に注目しながら見ていきましょう。
セイバーメトリクスの視点から野球を見ると、違った楽しみ方ができますよ!セイバーメトリクスについては【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】で解説しています。
野球中継を楽しむ参考になればと思います。