- メキシコの野球のレベルはどれくらいですか?
- メキシコの野球の歴史・国内リーグ・有名選手などが知りたい
このような疑問を解決します。
メキシコは野球では強豪国の一つに数えられます。
また国内リーグは、MLB(メジャーリーグ)、NPB(日本)、KBO(韓国)に次ぐ世界第4位のリーグと言われています。
本記事を読めば、メキシコの野球のレベル・ランキング、国内リーグの歴史、有名選手などメキシコの野球について、網羅的に知ることができます。
それでは、本題に入りましょう。
メキシコの野球レベルは?
メキシコは野球強豪国です。
ただし、オリンピックやWBCなどの国際大会で目立った成績を残せていません。
具体的な成績は後程紹介。
また、メジャーリーガーを見ても真のスーパースターと呼べる選手はいません。
したがって、国際的な野球のレベルを見ると、2番手、3番手グループと言った印象です。
しかし、国内リーグの充実やハマった際に一発を持っている国です。
メキシコの国際大会と言えば、2006年に行われた第1回WBCが印象的でした。
日本は2次ラウンド通算1勝2敗で負け越し、誰もがこのラウンド敗退と思いましたが、メキシコがアメリカを1点に抑え勝利。
この結果を受け、日本が決勝トーナメントに進出。
このラウンド敗退が決まっていたメキシコでしたが、現役メジャーリーガーをそろえたアメリカに大金星を挙げました。
日本の決勝ラウンド進出条件は、メキシコがアメリカを失点1点に抑えて勝利することのみ。
ランキング
メキシコの世界ランキングはWBSC公式サイトで確認できます。
ちなみに2021年11月のランキングですと、オリンピックの結果を反映して日本が1位、メキシコは5位となっています。
メジャーリーガーが参加しない大会の結果も含まれているので、本来の世界ランキングかは微妙なところ。
メキシコ野球の国内リーグ
実はメキシコは1年中野球が行われている野球大国です。
プロ野球は「ナショナルリーグ」であるメキシカンリーグを頂点として、アメリカのようにピラミッド構造で構成されています。
そして、メキシカンリーグとは別にウインターリーグのリガ・メヒカーナ・デ・パシフィコが存在しています。
ウインターリーグにもメキシカンリーグ参加のマイナー球団や独立リーグがあるので、メキシコでは1年を通してプロ野球が開催されています。
メキシカンリーグ
メキシカンリーグでは夏に行うリーグ戦の他、下部組織がウインターリーグに参加しています。
また資金力が豊富な球団は個別にアカデミーを運営していて、優秀な選手をスカウトしてプロ選手として育成していきます。
ちなみに日本人選手も参加していて、千葉ロッテ・横浜DeNAで活躍した久保康友、横浜DeNAで活躍した荒波翔、日本ハムで活躍した中村勝、巨人で活躍した高木勇人なども所属していました。
ウインターリーグ
一言でウインターリーグと言っても、多くの地域で行われています。
プロだけで構成されていて、メジャーリーガーも参加するようなウインターリーグから、地方で行われるアマチュアに近いウインターリーグなどさまざまなです。
ちなみにメジャーリーガーも参加するメキシカン・パシフィック・リーグは競技レベルも高く夏に行われる、メキシカンリーグを上回ると言われています。
また他の国のウインターリーグに比べると、治安が良く、報酬も高いことから好選手が集まり人気のリーグになっています。
このリーグに参加できなかった選手は、地方のウインターリーグに出稼ぎに行くようです。
メキシコ野球の歴史
メキシコに野球が伝わったのは、アメリカで野球が生まれてすぐのようです。
1847年には、すでに米海軍兵士による試合が行われていました。
同時期に、アメリカ国境から首都メキシコシティへの鉄道が伸びる過程で
- アメリカ人技師によって伝えられたルート
- アメリカの水平によって太平洋岸にもたらされたルート
- キューバ人によって伝えられたルートなど
さまざまなルートから、野球はメキシコに浸透していったと言われています。
1884年にメキシコ人による本格的な試合が行われると、野球人気は次第に高まり1906年にはワールドシリーズチャンピオンのシカゴ・ホワイトソックスが来訪して、野球の人気を確立していきます。
そして、1925年にスポーツ記者アレハンドロ・レイエスにより創立されたプロ・リーグは、やがて全国リーグであるリガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル(メキシカン・リーグ)となり、現在まで続いています。
メキシコ出身の有名野球選手
メキシコ出身の有名な選手を紹介しましょう。
とは言え、野球強豪国の割にスーパースターが少ない印象です。
特にメジャーリーグの殿堂入りを果たしている選手がいません。
カリブ海地域の野球人口の多さやアメリカに隣接していることを考えると、もの足りない印象があります。
過去の有名選手
あまり国際的に有名な選手が少ないので、日本に来て活躍した選手を紹介します。
- マリオ・バルデス(2004・近鉄)
27安打・9本塁打・29打点 - カリーム・ガルシア(2005~2006・オリックス)
186安打・34本塁打・97打点 - ルイス・ガルシア(2011・2012・楽天)
136安打・15本塁打・64打点 - ルイス・クルーズ(2014~2017・ロッテ・巨人・楽天)
322安打・43本塁打・176打点 - ジャフェット・アマダ―(2016~2018・楽天)
190安打・52本塁打・126打点 - クリスチャン・ビヤヌエバ(2019・巨人・日本ハム)
82安打・12本塁打・43打点 - ナルシソ・エルビラ(2000~2001・近鉄)
7勝8敗 - ルイス・メンドーサ(2014~2017・日本ハム・阪神)
27勝38敗2ホールド
野球ファンであれば、印象に残っている選手が多くいるかもしれません。
特にルイス・クルーズの守備や、ジャフェット・アマダ―の体の大きさ、カリーム・ガルシアの2試合連続の3本塁打など印象的でした。
野手に比べてNPBで活躍した投手は少なく、2000年に近鉄に入団し、ノーヒットノーランを達成したエルビラ。
ルイス・メンドーサは2014年に日本ハムに入団し、7勝13敗。2年目は10勝。NPB通算27勝38敗2ホールドという成績を残しています。
メンドーサはナイスガイと言った印象がありますね。
オリンピックの注目選手
2021年のオリンピックの注目選手は以下です。
- オリバー・ぺレス
- エイドリアン・ゴンザレス
- ダニー・エスピノーサ
オリバー・ペレス
オリバー・ぺレスは2002年から2021年まで、メジャーリーグで活躍したベテラン投手。
メジャー通算で700試合に登板し、メキシコ野球界ではレジェンド的な選手です。
WBCには過去4大会全てに選ばれています。
メジャー通算696試合、73勝93敗 5セーブ 105ホールド 防御率4,34
エイドリアン・ゴンザレス
エイドリアン・ゴンザレスは2019年以降無所属でしたが、オリンピック出場のためメキシカンリーグのグアダラハラ・マリアッチスと契約を締結して現役復帰。
2004年から2018年までメジャーリーグでプレーしており、最多安打(2011年)打点王(2014年)のタイトルも獲得。オールスターに5度選出されている、メキシコを代表するプレーヤーの一人。
メジャーリーグ通算1929試合、317本塁打、1202打点、打率.287
ダニー・エスピノーサ
2010年から2017年までメジャーリーグ(主にナショナルズ)で活躍。
2013年のWBCはメキシコ代表に選出されたが、前年に痛めた左肩腱板の治療を理由に辞退。
初の代表入りとなる。
メジャーリーグ通算、872試合、98本塁打、316打点、打率.221。
メキシコ野球の国際大会の成績
メキシコの過去の国際大会の成績も紹介します。
WBC
- 2006年: 2次リーグ敗退
- 2009年:2次ラウンド敗退
- 2013年:1次ラウンド敗退
- 2017年:1次ラウンド敗退
オリンピック
- 2004年:アメリカ予選敗退
- 2008年:アメリカ予選敗退
- 2021年:6位
WBSCプレミア12
- 2015年:4位
- 2019年:3位
【まとめ】メキシコの野球レベルは?強さ・歴史・有名選手を紹介して解説
メキシコの野球レベルや強さなど網羅的に紹介してきました。
メキシコは国内リーグが世界4番目の規模を誇っている野球強豪国です。
ただし、国際大会で目立った成績は残せていません。
とは言え、一発を秘めている国であることは間違いありませんので、注目したい国の一つです。
特にメジャーリーガーが参加するWBCでは参加する選手に注目しておきましょう。
本日はここまでとなります。
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