2025年3月にレギュラーシーズンが開幕し、早くも今シーズンの全日程が終了した日本プロ野球。今シーズにおいては、セ・リーグが阪神タイガース、パ・リーグが福岡ソフトバンクホークスのリーグ優勝で幕を閉じています。
今シーズンから野球にハマり始めて、実際の球場やテレビの前で試合観戦をしたという方も多いのではないでしょうか。今回は野球を見ていると出てくる野球用語の一つである三振を表す「K」について、その意味や由来などに迫っていきたいと思います。
三振について
まずは野球を全く知らないという方向けに三振について説明していきます。三振とは、一言でいうとバッターがピッチャーからストライクを3つ取られることを指します。もう少し厳密に説明すると、第3ストライクの投球を捕手が正規に捕球するか、規則により第3ストライクの宣告を受けたバッターが直ちに走者となれない場合にはバッターはアウトとなります。
そのため、第3ストライクの宣告がバッターのアウトを意味するとは限らないこともあるので注意が必要です。
振り逃げについて
第3ストライクの宣告を受けたバッターがアウトにならないパターンが振り逃げという三振の形です。この振り逃げは、一塁に商社がいない、もしくはツーアウトの状況でキャッチャーが第3ストライクの投球を正規に捕球できなかった場合にはバッターは一塁への進塁を試みることが可能です。この時、バッターをアウトにするには一塁到達前にバッターもしくは一塁に触球しなければなりません。これができなければ、バッターは三振したにも関わらずランナーとして生きることができます。
「K」の意味や由来について
良く野球を見ていると「9回10Kの完投勝利」や球場で三振を取った時にスコアボードに「K」の文字が表示されたりします。このように野球では三振をKでその意味を表しています。
ではなぜ三振をKで表すようになったのでしょうか。この由来については諸説あるようですのでそれぞれについて紹介していきます。
「killed」のK
三振をKと表すようになった由来の一つ目が「killed」から取っているという説です。日本の野球では一つアウトを取ると「1死」と表します。このことから関連して、三振してアウトをとったことを、死を英語にした「kill」、そしてピッチャーが奪ったアウトなので文法的には「killed」になります。そこから野球のおける三振はKと表記されるようになったといいます。
しかし、この由来は信憑性が低く野球でスコアブックを書くようになったのは1850年代のアメリカが始まりと言われています。日本に野球が伝わったのが1872年と言われているため、「死」という日本語由来の説という可能性は低いでしょう。
画数
ふたつ目の由来はKを3画で書けるからというものです。これはかなり単純な由来となっていますが、一つ目と同じく信憑性はかなり低いかと思われます。というのも、3画で書けるアルファベットはK以外にも「F」や「H」などたくさんあるためわざわざ「K」とした由来には説得力が足りないと感じますね。
「Knockout」のK
三つ目の由来はピッチャーがバッターから三振を奪うことで打者をKnockout(ノックアウト)するという意味からきているというものです。そのKnockoutの頭文字からKを取って三振を表すようになったという説です。
一方でこの説は、ピッチャーが三振を取った時もKnockoutといい、ピッチャーが打ち込まれたときにもKnockoutというので意味が重複してしまいますね。上記の理由から、Knockoutが由来というのは若干違和感が残りますが、信憑性としては高めと言えるでしょう。
Struck outのK
四つ目の由来は「Struck out(ストライクアウト)」からKを取ったとするものです。Struck outから取るのであればKではなくてSではないかという疑問が出てくるかと思います。これについてはスコアブックの生みの親であるヘンリー・チャドウィッグが考案したとされています。
野球にはさまざまな用語が存在しており、盗塁を表す「steal」や犠打を表す「sacrifice」、アウトを示す「out」、テキサスヒットを表す「Texas hit」などがあります。そのため他の用語とかぶらないようにStruck outからKを取ったのだといわれています。
また、ヘンリー・チャドウィッグにとって球審が「Struck out」とコールしたときに「K」の発音が強く耳に残ったためKが採用されたという話もあります。
この由来はかなり説得力があるため信憑性としてはかなり高いといえるでしょう。
単なる偶然によるもの
五つ目の由来はルールブックの編集者がアウトにする方法を適当に箇条書きしたうえで、アルファベットを一文字ずつ振っていった結果、偶然三振のところにKが振られたとするものです。
これまでの由来含めて諸説あるのが現状ですので、単なる偶然でKとなったいう可能性も大いにあり得るでしょう。
Kの英語表記について
前述でも示したように、いまだ明確にはなっていないですがKは英語表記でStruckからきているとされています。数々の由来とされる説を見ても当時インパクトに残った音だったということも鑑みて、StruckのKを採用しているのだと思われます。
ꓘが表すものとは
野球のスコアブックを見るとKだけでなく、それを反対にしたꓘという文字も存在しています。この記号は野球において何を表しているのでしょうか。ずばり、見逃し三振や振り逃げを表しています。
メジャーリーグにおいては通常のKは空振り三振を、そしてその逆であるꓘは見逃し三振や振り逃げの際に使われています。日本野球では空振り三振と見逃し三振を分ける文化があまりないようですが、スコアブック内ではそれぞれを区別するために分けて表記する場合もあるようです。まだ最近野球を見始めたばかりという方には難しいかもしれませんが、次からはKの意味だけでなくꓘの表記についても答えられるようになりますね。
最後に
今回は数ある野球用語の内の一つである、三振を表すKについて、その意味や由来などに迫っていきました。調べたところ、三振をKで表す意味や由来は明確になっておらず、その中でも最も有力なのは「Struck out」が由来というものでした。
また、スコアブック上でのKとその逆のꓘについてもそれぞれ意味があることを知れたのでこれからは自慢げに説明することができますね。
ぜひさまざまな野球用語を吸収してより野球を楽しんでくださいね。

