本記事で分かること
- 野球選手におすすめのストレッチ
- 球速を上げるために必要なストレッチ
- ストレッチを行うタイミングと頻度、回数
特に、股関節、胸郭、胸椎、肩甲骨の柔軟性が大切です。
なぜこのようになるのか、実際のストレッチ方法や科学的な根拠を交えて、解説します。
おすすめのストレッチを取り入れて、野球技術の向上を目指しましょう!
それでは、本題に入ります。
なぜ野球選手にストレッチが必要なのか
野球選手にストレッチが必要な理由は、以下の2点です。
- ケガを防止する
- 球速やパフォーマンスが上がる
詳しくみていきましょう。
①ケガを防止する
これについては、ほとんどの方が認識していると思います。
練習前にストレッチを行うことで、ケガの予防につながります。また普段からストレッチを行うことによって、可動域が広がりケガを防止できます。
ケガを防止するためにも、必ずストレッチを行わなければなりません。
②球速が上がる
科学的なデータから可動域が広くなると、球速がアップすることが分かっています。逆に言うと可動域が狭い選手は、球速が出にくいということになります。
単純に体の可動域といってもいろいろありますが、投球において特に重要なのは、以下の2つです。
- ステップ幅(股関節の柔軟性)
- 伏臥状態そらし(胸郭、胸椎、肩甲骨の柔軟性)
以上の2つです。
なぜ上記の2つなのか説明します。
ステップ幅(股関節の柔軟性)
ステップ幅が投球速度に影響しています。
投球動作の踏み出し幅の広さが投球の速度および正確性に与える影響より抜粋です。
長いので要約すると
- 踏み出した足を狭くすると、投球速度が低下する傾向にある
- 最大の投球速度を記録した踏み出し幅は、身長の 86%、開脚幅の 87%、スパイクでは 6.5 足分
かんたんにまとめると、股関節の可動域が一定以上ないと、投球速度が遅くなる。一定以上の股関節の柔軟性が、野球選手には必要ということです。
球速の上げ方については球速140kmを超えるピッチャーになるための球速UPトレーニング8選で解説しています。
後ほどストレッチ方法を紹介します。
伏臥状態そらし(胸郭、胸椎、肩甲骨)
【胸郭とは】
胸椎 (きょうつい) ・肋骨 (ろっこつ) および胸骨で囲われた部分です。
ここでは、胸の柔軟性と覚えておくと、いいですね。
胸郭、胸椎の数値を測る、伏臥状態そらしも、球速と関係があると言われています。
野球トレーナーの殖栗さんが、以下のように話しています。
ウエイトトレーニングや瞬発力を鍛えるトレーニングと並んで、伏臥状態そらしも大切です。
投球動作と胸郭の柔軟性
投球動作の例をみると、以下の場面で胸郭、胸椎、肩甲骨の柔軟性が大切です。
画像をみていただくと、胸郭、胸椎、肩甲骨の柔軟性の大切さが分かると思います。
胸の可動域により、体全体がしなりながら回転しているのが分かります。
野球選手におすすめのストレッチ
大切な個所が分かったところで、股関節、胸郭、胸椎、肩甲骨を広げるストレッチの方法をみていきましょう。
股関節を広げる
股割り
分かりやすく誰でもできる種目です。私自身もこれを取り入れて、今では地面に頭がつくぐらいまで、できるようになりました。
Mac’s Trainer Roomは、野球専門のトレーニングジムで、プロ野球選手から子供までトレーニングをしているジムです。
Mac股割メソッドとして、股関節のストレッチ方法を紹介しています。
股関節を柔らかくするストレッチ2
- 両足の裏を合わせて、あぐらのような姿勢になり、かかとを体に引き寄せます
- 骨盤を立てて30秒間ゆっくりと呼吸します
- 背中を丸めないように気を付けながら、手を床につけてゆっくりと状態を前に倒します
- いた気持ちいいところで止めて30秒間キープします。
股関節を柔らかくするイメージで行います。足の裏を合わせられない人は通常のあぐらでもOKです。
このやり方ならテレビを見ながら、ストレッチを行うこともできます。
股関節を柔らかくするストレッチ(前後開脚)
個人的には前後開脚もおすすめで、例えば一塁手がなるべく遠くでボールをとるために、足を広げる動きです。柔らかければ、アウトになりやすくなります。
左右の太ももの前面(内転筋あたり)と太ももの裏(ハムストリングス)のストレッチが大切です。太ももの全面は、次で紹介する胸郭とつながっているので、意外と盲点になりますが大切です。
いきなり前後開脚は難しいので、太ももの全面は以下のような形で伸ばします。
太ももの全面は前屈で伸ばします。
前屈はいろいろなやり方がありますが、股関節から足の裏が伸びるストレッチならどんなやり方でもOKです。「やり方」+「続けること」が大切です。
胸郭、胸椎、肩甲骨の可動域を広げる
次に胸郭、胸椎、肩甲骨の可動域を広げるストレッチです。
ポイントとしては、胸郭と胸椎を伸ばすためには胸側だけでなく、背中側の可動域も大切です。また首周りのストレッチも大切になります。
伸展と回旋が大切と言われたりしますが、背中を反る動きと胸を張る動きが大切です。言葉では難しいので、動画をご覧ください。
胸郭、胸椎
一言に胸郭、胸椎といっても首周りの筋肉からつながっているので、胸から首までトータルで伸ばす必要があります。
以下のトレーニングは、非常におすすめなストレッチです。
塩ビ管がないという方は、アマゾンで売っているヨガリングで代用できそうです。
幅が狭い場合は、2個をつなげるといいですね!
私はヨガリングで代用しています。
こういったものを使うと、胸郭と胸椎を伸ばせそうです。
胸を回旋
上記のストレッチですと、胸郭を上下にストレッチさせますが、横の動きがありません。胸郭や胸椎を回す(左右に動かす)ストレッチも大切です。
胸郭や胸椎をあらゆる方向に伸ばせて、柔らかく使える事が大切です。
以下の動画は、様々な方法が紹介されているので、おすすめです。私も参考にさせてもらっています。
肩甲骨を広げる
肩甲骨は、一般的なストレッチを、毎日行うイメージでいいですね。
以下のストレッチは、野球人になじみの深いストレッチ方法です。
しっかり、行いましょう。
スリーパーストレッチも肩や、肩甲骨の柔軟性につながります。
ブリッジ
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これはオリックスバファローズのトレーナーさんの投稿です。
ブリッジが球速に関係があると、言っているように感じます。
ブリッジは、胸郭、胸椎、肩甲骨、股関節等、体の総合的な柔軟性が求められます。他のストレッチと合わせて取り組みたい種目ですね。
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動的(ダイナミック)ストレッチと静的(スタティック)ストレッチ
動的(ダイナミック)ストレッチと静的(スタティック)ストレッチは、とても大切です。よくわからない方は、以下でやり方も含めて解説していきます。
どちらも大切です。両方をタイミングよく合わせて、取り組む必要があります。
「ダイナミックストレッチだけやればいい」ということでは、ありません。
動的(ダイナミック)ストレッチ:試合・練習前
【動的ストレッチ】
練習、試合前に行うストレッチで、動きながら行うストレッチです。
心拍数を徐々に上げながら、練習や試合にのぞむ準備のために行います。
動的ストレッチを効率よく行うなら、J-band(Jaeger Sports)がおすすめです。胸郭と体幹を連動させて、動きを出しながら、可動域を広げることができます。
キャッチボール前のjbandエクササイズ pic.twitter.com/VFY8yevVws
— 高島 誠⚾︎野球パフォーマンスアップスペシャリスト (@littlemac0042) January 9, 2021
2種類あり、伸び具合が違います。動的ストレッチを行うのであれば、大人でもキッズ用(12歳以下)の軽い負荷のバンドでOKです。
上手く出来るようになったら、2種類あると便利です。
購入する際は、負荷に注意してください。
今後野球を続けるなら、一人1個は持っていたいです。
それぐらいおすすめです!
»J-band(Jaeger Sports)をアマゾンで確認する
静的ストレッチ:風呂上り・就寝前
【静的ストレッチ】
リラックス効果や可動域を広げるために行うストレッチのことです。
野球選手の場合、静的ストレッチは可動域を広げるための重要なトレーニングです。
可動域を広げて、野球の動きに合わせていく必要があります。
ストレッチを行う頻度と回数、強度、注意点
野球選手が行うストレッチの注意点を見ていきます。
私自身の経験と、ネット等の情報をまとめています。
参考にしてみてください。
頻度
結論から言うと、ストレッチは毎日、むしろまめに行うべき。
東洋経済の要約です。
筋トレについては、毎日行ってはいけませんが、ストレッチは毎日行う必要があります。逆に毎日できない人は、効果が期待できないと思っていた方がいいです。
少しのすき間時間でもコツコツと、取り組む必要があります。
回数
1日の中でも、こまめに行う必要があります。
仕事や勉強の合間に10分間ストレッチをする。
「動かないと体が硬くなる」と思っていてた方が、いいですね。
実際、私の実感でも、毎日最低30分以上で現状維持。
1時間以上行って、少し可動域が広がるイメージです。
個人的におすすめは、30分のストレッチを朝と夜に分けて行うのがおすすめです。
風呂上りと就寝前はゴールデンタイム
風呂上りと就寝前は、体が温まっているのでおすすすめです。比較的伸びやすいので、効率よくストレッチを行いたい方は、風呂上がりと寝る前がおすすめです。
ちなみに風呂の中でもできるトレーニングは【必見】野球選手が風呂で行うおすすめトレーニング3選で解説しています。よかったらご覧ください。
注意点
- 無理をしない
- いた気持ちいいところで伸ばす
- 毎日続ける
以上の3点です。詳しくみていきます。
無理をしない
無理やり伸ばしても、つらいだけで続きません。ケガのリスクもあるので、無理をしないで続けましょう。
いた気持ちいところで伸ばす
無理のない範囲とは、「いた気持ちいいところ」です。伸び感を感じて、そこまで辛くないところで行いましょう。
毎日続ける
これが1番大切なことです。
1日、2日では全く効果を得られません。最低でも1か月、長いと1年ぐらい続けて、効果を得るイメージです。
辛いですが、毎日少しづつ行うことが大切です。この記事を読んだ今から、始めることが大切です。
野球上達のために、共に頑張りましょう。
ストレッチを行いパフォーマンスを上げよう
野球選手である以上、ストレッチは、必ず行わなければいけません。
今、ケガや痛みがなく野球ができている方も、体のケアを怠ると野球ができなくなります。ケガをして後悔する前に、しっかりとケアをしましょう。
ケガ防止とパフォーマンスアップのためにも、ストレッチは重要なトレーニングです。
ストレッチは、地味でつらい種目ですが1、2年後の成果が変わります。将来を見据えて、今から取り組みましょう。
ストレッチと合わせて、他のトレーニングも取り組みましょう。
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大変な道のりですがコツコツ取り組んでいきましょう。
半年、1年後には、野球が確実にうまくなっていますよ。