- アストロズがサイン盗みをしてたけど、やり方が知りたい
- サイン盗みの処分の概要が知りたい
- サイン盗みに関わった選手が知りたい
- サイン盗みの証拠が知りたい
- 日本人メジャー(MLB)選手はサイン盗みについて、どんな反応をしたか知りたい
このような疑問を、なるべく分かりやすく解決していきます。
本記事の内容
- アストロズのサイン盗みの概要
- サイン盗みの処分の概要
- サイン盗みに関わった選手(人)監督、GM
- サイン盗みの証拠
- アストロズのサイン盗みによる、日本人選手の反応(ダルビッシュ有、青木宣親、田中将大)
- サイン盗みによる報復死球数
- 過去にあったサイン盗み
以上をそれぞれ解説します。
それではさっそく内容にいきましょう。
アストロズが行ったサイン盗みの概要
アストロズが「明確に」サイン盗みをしていた時期は、2017年から18年にかけてです。
2019年、スポーツ専門サイトの「The Athletic」はケン・ローゼンタール氏とエバン・ドレリッチ氏の連名記事を公開し、チーム関係者から話を聞きだし、アストロズがホーム試合でサイン盗みを行っている事実を明らかにしました。
この中には、15年途中から17年までチームに在籍していたマイク・ファイアーズ投手も内部告発という形で証言しています。
サイン盗みの方法
この手法は古典的な手法で、昔からあったようです。
「たたく回数が1回ならカーブ、2回なら他の変化球、速球ならたたかない」とう方法でサイン盗みが、行われていました。
試合ごとに回数や音が鳴らないこともあったようで、試合ごとに取り決めがあったかもしれません。
実際に全ての球でサイン盗みをしていたわけでないので、区別するのも難しいようです。
これとは別に球団フロント主導のもと、複雑な方式(コードブレーカーと呼ばれる)も実施された。
やり方はカメラでキャッチャーのサインと実際に投げた球種を解読し、エクセルでデータ化。
そのデータを、バットでゴミ缶をたたいて伝えていた。
これによりホームだけではなく、アウエーの試合でもサイン盗みを行っていたことも分かりました。
さらにユニフォームの中に電子機器をつけて球種を知らされていたという疑惑もありますが、こちらについては選手たちが完全否定しています。
またポストシーズンでもサイン盗みをしていたと言われていますが、こちらについても証拠はありませんので事実は分かりません。
サイン盗みの発案者・首謀者
首謀者とされているのは、カルロス・ベルトランとされている。(100%とは言えない)
※カルロスベルトランとは、通算2725安打の殿堂候補選手。
2017年引退。2020年は、1試合も指揮をとらず、メッツ監督を解任。
サイン盗みに関与していた人(選手、監督、フロント)
・カルロス・ベルトラン 外野手
・アレックス・コーラ ベンチコーチ
※2018レッドソックス監督で世界一。
その後騒動を受けて解任
AJ・ヒンチ監督とルノーGMは積極的に関与していなかったと判断されたが、管理責任をとられて1年間の資格停止、その後解雇。
実際サイン盗みについて、証拠サイトやネットの情報を総合すると、現場レベルで知らない選手はいません。
選手の関与(メンバー)
野手は全員関与していたのか説明します。
野手は?
ゴミ缶がたたかれた回数は多い順に
- マービン・ゴンザレス
- ジョージ・スプリンガー
- カルロス・ベルトラン
- アレックス・ブレッグマン
- ユリ・グリエル
上記の5人は、100回以上とされている。
本人の意思とは無関係の場合もあるが、100回以上と信じられない回数です。
出場している選手は、全員サイン盗みを知っていて関与しています。
しかしホセ・アルトゥーベ、ジョシュ・レリック、トニーケンプは望まなかったと報道されています。
※実際の回数も少ないです。
詳しい回数は英語ですが「sign stealing scandal」にのっているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
青木宣親については、後半で説明します。
投手の関与
投手は直接関わったわけではないが、「サイン盗みを行っていたことは」、認識していたようです。
バーランダーも、調査終了後以下のようなコメントを話しています。
(2017年の)移籍後しばらくして、何が起こっているか理解したよ。もっと発言していればよかった。過去に戻り、変えることはできない。もっと発言していればよかった。それについて申し訳なく思っている
アストロズが行ったサイン盗みの証拠
このサイトは、アストロズファンのトミーアダムスさんが2017年ホームの試合58試合、8200球分のデータをインターネット上に公開したホームページです。
詳しく知りたい方は、クリックしてみてください
英語なので、要約すると
ゴミ缶がたたかれた回数や選手名、試行錯誤しながら「どのようにサイン盗みを行っていたか」が分かる内容になっています。
1球ごとの詳細な内容も分かります。
証拠がわかるサイトですね。
こちらの動画でもサイン盗みの内容が分かります。
試合の動画を見ると、観客の声援の他にゴミ缶をたたく音が、しばしば鳴り響いています。
サイン盗みの処分・処罰
- 制裁金は500万ドル
- 2020、2021年のドラフと1巡目、2巡目指名権のはく奪
- AJ・ヒンチ監督とルノーGMに対して、1年間の資格停止。その後解雇。
ワールドシリーズの優勝は、はく奪されず、選手個人にも処分はありませんでした。
ここら辺のことも納得いかないファンや、選手も一定数いるようです。
選手個人に処分ができない理由として、別のチームでプレーしている選手も多くなっているので、「現実的ではない」とMLBのコミッショナーが見解を出しています。
またドラフトでの指名権がはく奪されています。
メジャーリーグのドラフトは日本とだいぶ違うので【保存版】メジャーリーグ(MLB)のドラフトの仕組みを分かりやすく解説で詳しく解説しています。
サイン盗みの効果
OPSでみると、17年のOPSはホームで0.812、アウエーで0.834と効果があったかは疑問が残る数字です。
ただシーズンの三振数をみると、16年は1452三振を喫していたが、17年には1087三振と365個少なくなっている。(三振率メジャー1位)
複数の打者の三振数が少なくなっていることからも、サイン盗みの恩恵をあずかっていたことが分かります。
しかし、最近はサイン盗みの恩恵がなかったとされる情報もありますので、実際に効果があったのかは疑問です。
例えば変化球と分かった場合の打撃結果は、以下のようになっています。
球種が分かっても、見逃しストライク、空振りや三振が多くあります。
このことから、実際に効果があったのか疑問です。
効果があったか疑問に残るのに、後世までインチキでワールドシリーズを制覇したと言わるるのは、割に合わない気がします。
2020年のシーズンを振り返ると、リーグ優勝決定戦まで進出していますので、サイン盗みをしなくてもと思うような結果です。
しかし、ワールドシリーズ制覇に疑問がつくのは、間違いないですね。
サイン盗みの謝罪会見とコメント
2020年2月には、選手が謝罪会見を行っています。
オーナーのジム・クレイン氏、ダスティン・ベイカー新監督、ホセ・アルトゥーベ、アレックス・ブレグマンが出席しています。
以前にも投手のダラス・カイケル投手が謝罪したことはあったが、野手から正式に謝罪発言がでるのは、初めてです。
以下は謝罪会見の主な発言です。
【ブレグマン】
チーム、組織、そして僕個人が選択したことについて、本当に申し訳なく思っている。このことから学び、野球ファンの信頼を取り戻したい。そして、支え続けてくれているアストロズファンに感謝したい【アルトゥーベ】
アストロズの組織全体が、17年に起こったことに対して、心苦しさを感じていると伝えたい。ファン、そして試合そのものに多大なる影響を与えてしまったことを非常に後悔している
どう行動するかによって(これからの)チームは決まる。懸命にプレーし、20年にはヒューストンに優勝を取り戻したい引用 ベースボールチャンネル
アストロズのサイン盗みに対する日本人選手の反応
ここからは、日本人選手の反応をみていきます。
青木宣親
2017年前半、アストロズに在籍していた青木選手(現ヤクルト)は前述のサイトで確認したところ、261球のうち16球ゴミ箱の音を聞いたことになっている。
状況からみて、中心選手ではありませんが青木選手がサイン盗みについて知っていたことは間違いないでしょう。
現在のところ青木選手は、サイン盗みについて話はしていません。
マスコミもこの件について、インタビューや質問をしていないことから、何かしらの圧力や取り決めがあるのかもしれません。
ファンとして知りたい部分もありますが、現役選手中は何も話さないでしょう。
ちなみにサイン盗みを行っていた2017年6月、当時レンジャーズのダルビッシュ有に「アストロズはダルビッシュの癖は全部わかっている」ということを伝え、クラブハウス内で1時間近く話したこともあったようです。
ここでの会話の内容も気になりますが、青木選手のサイン盗みについての真相は全く分かりません。
ダルビッシュ有
自身のYouTubeチャンネルではこのように話しています。
2017年のワールドシリーズについては、サイン盗みをしていなくても結果は変わらなかった。
自分の実力が足りなかっただけで、打たれた経験が今につながっている。
最後にはサイン盗みは止めましょう。正々堂々と試合をしましょう
7:00と12:30あたりから引用
と話しています。
田中将大
2017年のプレーオフは、アストロズの前に敗退したが活躍。
リーグ優勝決定シリーズ、アストロズ戦は敵地での第1戦は6回4安打2失点黒星を喫したものの、本拠地での第5選は7回3安打無失点で勝利投手。
チームはその後、敵地で連敗して3勝4敗で敗退となりました。
サイン盗みが発覚した後(2020年)のインタビューでは、以下のように話しています。
そういう噂はありましたよ。その当時は本当かどうか分からなかったけど、実際にこういう問題が出てるわけですから」と田中。実際にサインを複雑にしたり、頻繁に変えたりして対策していたことも明かしたが、“サイン盗み”に対して「フェアじゃない」と言い切るなど、最後まで複雑な表情だった。
引用 full count
アストロズのサイン盗みによる報復死球数
サイン盗みにより報復の四球数は増えたのかというと、そうでもありません。
2020年にアストロズが受けた死球数は23です。
最高がカブスの52個、最低がロッキーズの10個です。
リーグ全体で821個。平均が27個です。
報復の死球のニュースを見ると、死球数が多くなっていると思いきや、実際はそこまででもありません。
ケリーの報復死球などがクローズアップされて、放送されているだけと言えそうです。
アストロズ以外のサイン盗み
過去のサイン盗みについても振り返ってみます。
フィリーズ
1900年のフィリーズは3塁コーチャーズボックスの地面の中にブザーのついた木箱を置き、クラブハウスの控え捕手がサインを双眼鏡で盗み、木箱に信号で合図を送り、その情報を3塁コーチャーがバッターに球種のサインを送っていました。
インディアンス
1959年~60年のインディアンスも、アストロズに近い方法でサインを盗んでいました。センター後方から望遠鏡でサインを盗み、ダグアウト裏にコードでつながったブザーを鳴らして球種を伝えました。
その情報をコーチ→選手の要領でサインを伝えていました。
どの方法も古臭い手法で行われてきましたが、実際に見抜くことが難しいのは、観戦している者も分かると思います。
アストロズのサイン盗みについてのまとめ
多くの証拠や選手が謝罪していることからも、サイン盗みについては事実ですし今後このようなことが起こらないことを祈っています。
報復の死球もありますが、納得できる回答がない限りサイン盗みに対して他のチームの選手は納得しないでしょう。
選手は過ちを認め、球団側も全ての事実を提示して、新たなアストロズとして戦っていくことを願っています。
ちなみに話が少し横にそれますが、アストロボールという本はおすすめです。
アストロズがどのようにして強くなっていったのかが分かる本です。
サイン盗みについても若干ふれています。
メジャーリーグ中継を無料で見る方法はメジャーリーグ(MLB)中継を無料ネット配信・テレビ放送で視聴する6つの方法でまとめています。