大谷翔平や山本由伸、佐々木郎希など多くの日本人選手の活躍により日本国内でも注目度が高まっているメジャーリーグ。動画サイトでメジャーの試合を欠かさず見ているという方も多いのではないでしょうか。
今回はメジャーリーガーの中でもナショナルズで長く活躍をしてきたスティーブン・ストラスバーグという選手にフォーカスを当ててこれまでの経歴や成績、引退理由などに迫っていきたいと思います。
スティーブン・ストラスバーグについて
まずは今回ピックアップするスティーブン・ストラスバーグの簡単なプロフィールを紹介していきます。
| 名前 | スティーブン・ジェームズ・ストラスバーグ |
| 生年月日 | 1988年7月20日(37歳) |
| 出身地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州 |
| 身長 | 約195㎝ |
| 体重 | 約106kg |
| 投打 | 右投げ右打ち |
| ポジション | ピッチャー |
| プロ入り | 2009年MLBドラフト1巡目 |
スリークォーター気味のフォームから150㎞/hを超えるフォーシームと落差のあるカーブ、球速差のあるチェンジアップ、スライダーなど多彩な変化球を駆使して三振を奪うスタイルのピッチャーです。
また、人としての性格はとても練習熱心で新婚旅行先のハワイでもグラブを持参して現地の高校生捕手を相手に投げ込みを行ったというエピソードもあります。
スティーブン・ストラスバーグの経歴について
カリフォルニア州サンディエゴで生まれたスティーブン・ストラスバーグはウェスト・ヒルズ高等学校在学時には精神面での不安定さと110kgを超える体重であったことからMLBドラフトで指名を受けることはありませんでした。
しかしながら、高校卒業後はサンディエゴ州立大学に進学。進学後はランニングを欠かさずに減量に成功して、それに伴って直球の球速も上がっていきました。大学1年目まではリリーフピッチャーでしたが、2年目からは先発に転向して97.1イニングを投げて133奪三振という記録を残しました。2008年に開催された北京オリンピックではアマチュア選手として唯一アメリカ代表に選出。2試合に登板して防御率1.67の好成績を残しました。
そのような活躍もあり、アマチュアナンバーワン投手として地位を築き、2009年のMLBドラフトで全体1位の指名をナショナルズから受けてプロの世界に足を踏み入れました。
ナショナルズ入団後から2018年までの経歴について
ナショナルズ入団後は1年目からメジャーデビューを果たし、デビュー戦では7回を投げて2失点、14奪三振という結果で初勝利を挙げました。しかし、この年は8月の試合でひじを痛めてしまい、トミー・ジョン手術を受けることとなりました。
2012年は怪我も明けて開幕から先発ローテーション入りを果たしました。6月にはメジャー通算29試合で208奪三振を達成し、史上6人目となる「30試合未満で200奪三振」を達成しました。
2014年シーズンは34試合に先発登板し14勝を挙げる活躍をみせました。また、自身初の個人タイトルとなるナ・リーグ奪三振王を獲得しました。2016年シーズンは開幕から12連勝を果たすなど好調なスタート切っていましたが怪我の悪化などもあり思うような登板ができない時もあり、最終的に15勝を挙げましたが防御率は自己ワーストの成績でした。この年にナショナルズと7年総額1億7500万ドルの契約延長に合意しています。
2019年から現在までの経歴について
2019年シーズンのスティーブン・ストラスバーグは5月2日のカージナルス戦で通算1500奪三振を記録。シーズン通して18勝6敗、防御率3.32、251奪三振という成績を残して最多勝のタイトルを獲得しました。この年にチームは初のワールドシリーズ進出を果たし、スティーブン・ストラスバーグはワールドシリーズでも活躍を見せてチームの世界一に大きく貢献しました。また、自身はワールドシリーズMVPも獲得しています。
2020年シーズン以降は怪我やリハビリの日々が続き、思うような成績が残せずにいました。そして2023年には4月下旬から重度の神経障害となりすべての身体活動を停止する深刻な状況に陥ってしまい、現役引退を表明しました。
スティーブン・ストラスバーグの成績
続いて、スティーブン・ストラスバーグはナショナルズでどのような成績を毎年残してきたのか紹介していきます。
| 年度 | 勝利 | 投球回 | 奪三振 | 防御率 |
| 2010 | 5 | 68 | 92 | 2.91 |
| 2011 | 1 | 24 | 24 | 1.50 |
| 2012 | 15 | 159.1 | 197 | 3.16 |
| 2013 | 8 | 183 | 191 | 3.00 |
| 2014 | 14 | 215 | 242 | 3.14 |
| 2015 | 11 | 127.1 | 155 | 3.46 |
| 2016 | 15 | 147.2 | 183 | 3.60 |
| 2017 | 15 | 175.1 | 204 | 2.52 |
| 2018 | 10 | 130 | 156 | 3.74 |
| 2019 | 18 | 209 | 251 | 3.32 |
| 2020 | 0 | 5 | 2 | 10.80 |
| 2021 | 1 | 95 | 21 | 4.57 |
| 2022 | 0 | 23 | 5 | 13.50 |
スティーブン・ストラスバーグはメジャーデビューから投球回以上の奪三振を記録する支配的なピッチングをしていたことがこの成績を見ると伝わってきますね。
スティーブン・ストラスバーグの引退理由
前述のように、長くに渡って好成績を残してきたスティーブン・ストラスバーグですが2024年4月6日付で正式に現役引退が発表されています。2020年から7年契約を結んでいたスティーブン・ストラスバーグが引退となった理由は何なのか、紹介していきます。
直接的な原因となったのは度重なる怪我からの復帰が困難だったためです。
スティーブン・ストラスバーグは2021年に胸郭出口症候群の手術を行っています。手術は成功し、リハビリも順調に進みましたがその後違和感を覚えて再度故障者リスト入り。2023年には首と肩に神経痛を訴えて、リハビリを続けていましたがうずきやしびれを練習中に発症しました。この影響もあり、野球だけでなくすべて身体活動を停止しなければならず現役引退することとなりました。
胸郭出口症候群とは
首から腕にかけての神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い場所で圧迫されて起こる病気です。その症状は、肩から腕、手にかけてのしびれや痛み、だるさ、握力低下などがあります。発症する原因はなで肩など姿勢による牽引型と筋肉の緊張などによる圧迫型があります。
対処法としては、日常生活での動作や姿勢の改善、理学療法で治療されます。それでも改善しない場合は薬物療法や手術が検討されます。野球選手としてはかなり厳しい病気であることがわかりますね。
最後に
今回はメジャーで活躍を続けていたスティーブン・ストラスバーグについて、プロフィールやこれまでの経歴や成績などに迫っていきました。
2024年にけがや病気が原因で現役を退いたスティーブン・ストラスバーグ。苦しいリハビリを乗り越えて今後は穏やかに過ごしてほしいですね。

