【保存版】メジャーリーグ(MLB)のドラフトの仕組みを分かりやすく解説

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【保存版】メジャーリーグ(MLB)のドラフトの仕組みを分かりやすく解説

悩んでいる人
  • メジャーリーグのドラフトは、どのような仕組みになっているか知りたい
  • 日本人の指名選手や契約金の額が知りたい
  • 2020年の指名選手が知りたい

このような疑問を解決します。

本記事の内容

  • メジャーリーグ(MLB)のドラフトの概要
  • 過去の日本人指名選手
  • 2202年の指名選手と契約金の額

以上をそれぞれ解説します。

本記事は、MLBジャパン、ネット情報を総合的にまとめました。

本記事を読むと、MLBのドラフト概要、2020年のドラフト指名選手の契約金ランキング、過去の日本人指名選手が分かる内容となっています。

MLBドラフトは複雑な仕組みになってますが、日本との違いも含めてシンプルに、解説していきます。

メジャーリーグ(MLB)ドラフトは2種類ある

メジャーリーグ(MLB)ドラフトは2種類ある

メジャーリーグのドラフトは、2つあります。

  • ファースト・イヤー
  • ルール・ファイブ・ドラフト

記事の前半は、ファーストイヤー、後半はルールファイブドラフトについて説明します。

ファースト・イヤーとは

ファースト・イヤーとは

英語名:The Major League Baseball First-Year Player Draft

MLB規約の第4条に規定されていることから、「ルール・フォー・ドラフト」または「アマチュア・ドラフト」と呼ばれます。

ファーストイヤーは、選手獲得の方法は違いますが、日本で行われるドラフト会議と同じようなイメージです。逆に後で紹介するルールファイブドラフトは、日本に全くないドラフト制度です。

MLBのドラフト制度は、1960年代に豊富な資金力を背景に選手を集めて優勝していた、ニューヨークヤンキースの戦力均衡や偏りを防ぐために制定されました。

このため完全ウエーバー制で行われ、その他にも戦力を均衡に保つためルールが複雑になっています。

ウエーバー制は後ほど説明します。

開催日程

2020年は6月10、11日の2日間
2021年は7月11日~13日の3日間

2021年からは、オールスター休み中に開催されます。

またドラフト候補選手を一同に集めて、6~8月にシーズン公式戦を行う「MLBドラフトリーグ」を創設すると発表しています。

ドラフト指名対象選手

以下の地域に住んでいる選手です。

  • アメリカ
  • カナダ
  • プエルトリコ
  • その他の合衆国領

上記の地域に住んでいる高校、大学、短大、独立リーグの選手が対象です。

注意点は、ドミニカやキューバ、メキシコ、ベネズエラ等は入っていません。日本を含めてFAやポスティング、他の制度で移籍していきます。

また上記の国に住んでいる選手で

  • 高校生は、卒業者(または見込み)のみ
  • 4年制以上の大学生は、3年以上在学している選手、または2年以上在学している21歳以上の選手のみ
  • 過去にMLB球団と選手契約をしていない
  • 他国プロ野球で、ドラフトの対象になっていない

以上の選手がドラフトの対象となっています。
大学生は在学中でも指名できるのが、日本と違います。

ドラフトの仕組みと流れ

ドラフトの流れは、以下のとおりです。

1巡目

QO補完指名

戦力均衡ラウンドA

2巡目

戦力均衡ラウンドB

QO補完指名

入団拒否補完指名

5巡目

6巡目
以下つづいていきます。

意味が分からないと思うので、詳しく説明します。

指名方式

日本とメジャーを比べながら説明します。

日本(NPB)

日本のドラフトでは、1巡目に入札を行い、指名が重複した選手は抽選によって交渉権が確定します。2巡目以降は、シーズン公式戦の下位チームから指名します。

そして3巡目は、公式戦順位、1位から指名していきます。これを交互に行います。

また指名された選手の総数が120名に達するまで続けられ、120名に満たなかった場合は、育成ドラフトでの指名も可能です。

メジャーリーグ(MLB)

これに対しメジャーリーグでは、完全ウェーバー制です。

成績の最下位から、順に指名していく方式です。日本のように候補が重複して、抽選になることはありません。また指名人数は最大で40巡目まで行われ、最大で1,200人指名される可能性があります。

弱いチームに有望な選手を入れて、戦力の均衡を保つ制度になっています

アメリカでは、有望選手は複数のスポーツを掛け持ちしています。ですので、指名したからといって必ず入団してくれるとは限りません。このため各球団はこのことを考慮に入れながら、ドラフトで最大30人~40人程度指名します。

契約金も日本より高く、600万ドルを超えることも珍しくありません。

全部で30チームあり40巡目まであるので、毎年1000人以上の選手が指名されます。

2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5巡目で終了になりました。

指名人数も大幅に少なくなりました。

前年度・上位指名選手が入団しなかった場合

前年度のドラフトで、1巡目または2巡目に指名した選手と契約できなかった球団は、指名権を追加で与えられます。

アメリカでは、複数の競技を行っている選手が多く、日本のように上位指名されれば、「必ず入団する」とはかぎりません。このため、このようなルールになっています。

なお選手の同意がないと、同じ選手を指名することができません。

FAによる補償

FA選手を失った球団にはドラフト指名権が、与えられることがあります。

また、優秀なFA選手を取った球団は、ドラフト指名権を失うことになっています。

分かりづらいですが、日本のFAの人的補償制度が、ドラフト指名権で行われるイメージです。

関連記事»プロ野球のFA概要 人的補償とは?

クオリファイング・オファー(QO)と補完指名

1巡目の終了後に、クオリファイング・オファー補完指名と戦力均衡ラウンドの指名が行われます。

【QOとは】
球団が提示できる契約方法の一つで、ワールドシリーズ終了後から5日以内にFAとなる選手に対して、在籍球団が単年の再契約を申し出ることができる制度です。

当該選手は、受諾または拒否することができます。拒否しても在籍球団と交渉可能です。

球団側の提示を断ってFAとなった選手が、他の球団と再契約を結んだ場合に、流出元球団は補完指名権を得ることができます。

逆に獲得球団は、保有している指名権を1つ以上失います。
実際に、過去96人が提示され受諾したのは10人です。

戦力均衡ラウンド

市場規模下位10球団または、球団収益下位10球団のいずれかに該当する球団の中から、抽選で6~8球団に補完指名権が与えられます。

分かりづらいですが、収益や市場規模の少ない球団は、通常の指名以外にも指名権が与えられます。

収益による戦力の差を、防いでいるようです。
しかしシーズン終了時のゲーム差が凄いですが・・。

契約金

各年のドラフト開催前にあらかじめ、10巡目までの全指名順位ごとに、契約金の目安(Pick Value)が設定される。その合計金額が、各球団の契約金推奨額(Bonus Pool)となる。

各球団は、指名した全選手との契約金合計額を、このBonus Pool以下に抑えなければいけません。どの指名選手にどう金額を割り振るかは、球団側の自由。

合計額が超過した場合は、罰金や1巡目指名権のはく奪などペナルティーがあります。

2020年の契約金

2020年の上位5人の契約金です。

指名順位球団選手名契約金
1位タイガースSpencer Torkelson(スペンサー・トーケルソン)$8.42m(約8億4200万円)
2位オリオールズHeston Kjerstad(ヘルストン・キースタッド)$5.2m(約5億2000万円)
3位マーリンズMax Meyer(マックス・メイヤー)$6.7m(約6億7000万円)
4位ロイヤルズAsa Lacy(アサ・レイシー)$6.67m(約6億6700万円)
5位ブルージェイズAustin Martin(オースティン・マーティン)$7.00m(約7億円)

6位以下は、下記をご覧ください
»2020年のMLB新人選手の契約金

過去の日本人指名選手

過去の日本人指名選手です。

選手順位球団
2002年坂本充24巡目(全体711位)ロッキーズ
2008年鷲谷修也42巡目(全体1261位)※契約せずナショナルズ
2009年鷲谷修也14巡目(全体412位)ナショナルズ
2009年藤谷周平18巡目(534位)※契約せずパドレス
2013年加藤豪将2巡目(66位)ヤンキース

ここからは、もう一つのドラフト、ルールファイブドラフトについて説明します。

ルールファイブドラフト

ルールファイブドラフト

ルールファイブドラフトとは、有望選手が十分な活躍の場を与えられず、マイナーリーグで半ば飼い殺し状態になることを防ぐため、他チーム所属の現役選手を指名し獲得できる制度です。

名称の由来は、MLB規約の第5条に規定されていることから、この名前がついています。

毎年12月の、ウインターミーティング最終日に行われます。

MLBの40人枠に空きがあるチームのみ参加可能です。その年の優先権のあるリーグで、レギュラーシーズン勝率の低いチームから、指名権が与えられます。

ルールファイブドラフトの指名の仕組み

指名したチームは、その選手が所属していたチームに10万ドルを支払うことで、選手を獲得できます。

また指名した選手は、翌シーズン全期間、MLBの26人枠に登録し続けなければなりません。

指名対象選手

初めてMLB球団と契約した年により、対象が変わります。

契約した時点で18歳以下の選手は、そこから5シーズン以内に40人枠(メジャー契約)に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

一方契約した時点で19歳以上の選手は、そこから4シーズン以内に40人枠(メジャー契約)に登録されなければ、ルール5ドラフトの対象となります。

またMLB40人枠に登録している選手は、指名できません。
この制度により有望新人選手を移籍させたくない球団は、9月以降のロースター拡大で有望な新人選手をメジャーに上げます。

ルールファイブドラフトから活躍した選手

活躍した選手は、多くいます。ここでは、以下の5人を上げます。

  • ヨハン・サンタナ
  • シェーン・ビクトリーノ
  • ジョシュ・ハミルトン
  • ダン・アグラ
  • ホアキム・ソリア

いずれも、有名な選手です。

よりMLBを楽しみましょう!

複雑なシステムになっていますが、メジャーリーグのドラフトシステムが分かったのではないでしょうか。

指名された選手の活躍を楽しみに、メジャーリーグを楽しんでいきましょう。

【2021年最新】MLB(メジャーリーグ)をテレビ・ネットで見る方法

最後まで読んでいただきありがとうございました。

他にも野球に関する情報を発信しているのでよかったらご覧ください。

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